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日本でも緊急避妊薬が薬局で買えるようになる? 試験販売決定の意義と問題点
しかも、試験販売に関する調査は、薬局や連携する産婦人科だけでなく、購入者に対しても行われます。同意が得られた場合のみではありますが、避妊の結果や産婦人科受診の有無、妊娠検査の有無などを尋ねるとしています。
購入者は、性犯罪や性暴力の被害を受けたり、避妊の失敗をしたりと、身体的にも精神的にも切羽詰まった状況で薬局に来ています。アンケートに答えられる心情なのかは甚だ疑問です。特に保護者に隠したいと思っている未成年ならば、個人情報を知らせるのはためらうでしょう。「アンケートに応じなければ、販売してくれないかもしれない」と考えて精神的な負担を感じたり、薬局に行くこと自体をやめたりするケースもありそうです。また、もし応じてくれたとしても、正しい回答なのかは判断できません。
調査は、今のところ目標数を定めていませんが、ある程度の事例数がなければ有効な調査にはなりません。数を集めて回答を分析した結果、OTC化が審議されたとしても、薬事承認の手続きもあるので、順調に進んだとしても薬局販売の実現は調査後2年はかかるという試算もあります。その間、調査期間は薬局で買えたはずの緊急避妊薬が再び購入できなくなるため、女性を守る避妊策は後退してしまうのではないかとの指摘もあります。
さらに、緊急避妊薬を購入した時は、薬剤師や店員の目の前で服用することを義務付けなければ悪用や転売につながると心配する声も上がっています。男性が「いざというときは緊急避妊薬があるから」と避妊に杜撰になる可能性も懸念されています。そのため「正しい性教育や避妊を男性に任せないジェンダー教育、低用量ピルの普及が先だ」との意見も根強く残っています。
女性のキャリア計画の強い味方に
とはいえ、緊急避妊薬のOTC化は、これまでは病院での受診をためらったり、夜間や休日ですぐに受診できなかったりするうちに妊娠して中絶手術を受けざるをえなくなっていたケースを、薬へのアクセスをよくすることによって減らすことができます。薬を受け取りに来た時にすでに妊娠している可能性がある場合でも、産科医との連携によって医療にスムーズに引き継ぐ効果も期待されています。
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