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飼い主や同居ネコの名が分かる? 2022年に話題となったネコにまつわる研究
日本では近年、基礎研究の段階ですが、抗寄生虫薬の転用が新たな治療薬になる可能性を示す研究も行われています。
21年2月には北里大の研究グループが培養細胞を使った実験で、マラリア原虫への効果でも知られる5-アミノレブリン酸に、ネココロナウイルスの増殖を抑制する効果があることを明らかにしました。22年8月には、日本獣医生命科学大の研究グループが、家畜の餌にも配合されているイオノフォア系抗コクシジウム薬が、非常に低い濃度でネココロナウイルスの増殖を阻害することを培養細胞の感染実験で確認しました。
ヒトの新型コロナでも、抗寄生虫薬「イベルメクチン」の効果が取り沙汰されています。本来の適用ではない抗ウイルス薬として用いることは、安全性の問題もあり慎重を期すべきですが、抗寄生虫薬はコロナウイルスに対して何らかの鍵を握るのかもしれません。
トラ年のサミットとネコ年
2022年の干支であるトラは、インドや中国に生息するネコ科の大型獣です。
野生のトラは、20世紀初頭には約10万頭いたものの、森林破壊や密猟のために2010年当時は約3200頭に激減しました。密猟は、大物撃ちのスポーツ・ハンティングや毛皮、頭部の剥製、内臓から作られる漢方薬や催淫薬などを目的として行われ、違法取引もはびこっていました。
1961年に設立されたWWF(世界自然保護基金)は、団体初の大型プロジェクトとして70年代からインドでトラの保護活動「オペレーション・タイガー」を実施しましたが、トラの減少を抜本的に食い止めるには至りませんでした。
今から12年前の前回の寅年(2010年)11月には、国際的にトラの保護について話し合う「グローバル・タイガー・サミット(トラ・サミット)」がロシアのサンクトペテルブルクで開催されました。
サミットには、当時トラが生息していた13カ国(バングラデシュ、ブータン、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ロシア、タイ、ベトナム)の首脳や、欧米の動物保護活動者、世界銀行などの国際機関の関係者などが集いました。会議の主催者は、大の動物好きとして知られ、2008年の誕生日にトラの赤ちゃんを贈られたこともあるウラジーミル・プーチン首相です。
このサミットでは、「次の寅年の22年までにトラの数を倍にする」という目標が正式に合意され、1億2700万ドル(米ドル)がサミット参加国やWWFなどから拠出されることが決定しました。
実際は、設定の22年までに倍増に成功したのはネパールだけで、カンボジアとベトナムではトラは絶滅してしまいました。それでも、22年時点での世界のトラの数は約4000頭と1.25倍になったと推定されており、保護計画の意義はあったと考えられています。
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