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テックフィクションの書き手を目指して
ニューズウィーク日本版の読者の皆様、こんにちは!テクノロジー関連のコラムを新しく担当することになりましたITジャーナリストの湯川鶴章です。「2歩先の未来を読む」をテーマに執筆、講演などの活動を続けています。
実はこの「ITジャーナリスト」という肩書に、私自身、違和感を感じています。違和感は幾つかあるのですが、1つには「IT」という言葉に対する違和感です。もちろん私は、1985年から2000年にかけて米国シリコンバレーに在住し、帰国後も、半導体から、パソコン、インターネットといった具合に、常にITの最先端の取材を続けてきました。IT、情報技術と言えば、半導体、パソコン、インターネットを指す言葉ですから、まさしくITの専門記者だったわけです。
ですが、コンピューターやインターネットといった技術は、いまやIT産業という1つの産業におさまらず、ありとあらゆる産業や社会の側面に浸透し、産業や社会を大きく変えようとしています。直近では、私は人工知能が生物学にどのような変化を及ぼすのかといった取材を続けています。昔からある「IT取材」の範疇を超えているわけです。
また「ジャーナリスト」という言葉にも違和感を感じています。「ジャーナリスト」というと完全に中立を目指して、社会正義を追求する仕事のようなイメージを持っている方が多いと思います。政府高官や大企業の社長など権力の中枢に位置する人たちが取材相手なら、その権力を悪用していないか監視することは重要ですし、スキャンダルを暴くことにも意味があると思います。しかし、私の主な取材相手はベンチャー企業です。古いしがらみの中で既得権益層からの圧力と戦っている若い企業が、取材相手です。応援したいとは思っても、スキャンダルを暴きたいという気にはなれません。
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