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テックフィクションの書き手を目指して
こうした理由から「ITジャーナリスト」と名乗りたくないと思った時期がありましたし、実際につい最近までは、そう名乗っていませんでした。「元ITジャーナリスト」と名乗ったこともありました。しかし、初対面の方に一言で自分の仕事を理解してもらえる言葉で「ITジャーナリスト」を超える言葉がほかに見当たらないので、最近はまた「ITジャーナリスト」と名乗ることが増えてきました。
そんな中、起業家で友人の新城健一さんから「TF(テクノロジー・フィクション)」という言葉を教わりました。恐らく彼の造語だと思います。「SF(サイエンス・フィクション)」は遠い未来の物語です。「テクノロジー・ジャーナリズム」は、今、現在のテクノロジーの姿を報じる仕事です。「TF(テクノロジー・フィクション)」はその中間。「感覚的には2歩先の未来。ちょうど湯川さんが読み解こうとしている近未来です。そして、その近未来の姿を読み解くことが今、非常に重要になってきているんです」と新城さんは言います。
時代の変化が加速しているため2歩先の未来が、あっという間に現実のものになってしまいます。「フィクション」ですから架空の物語なのですが、「夢物語でいいから、いろんな近未来のシナリオを聞きたい。そのシナリオをベースにビジネスのアイデアを練りたいから。変化が早い時代には、SFよりも技術ジャーナリズムよりもTF(テクノロジー・フィクション)が必要なんです」と新城さんは「TF(テクノロジー・フィクション)」の価値を語ってくれました。
まさしくそのTFの領域は、私がこれまで目指してきたものでもあり、やっていてワクワクする仕事でもあります。将来は「SF作家」ならぬ「TF作家」を名乗れるようになればいいなと思っていますが、まだ大きな実績もなく、TFという言葉も知られていませんので、しばらくは「ITジャーナリスト」を名乗り続けると思います。しかし仕事の内容は「TF(テック・フィクション)」を目指していきたいと思っています。今回から連載が始まるこのコラムでも「TF(テック・フィクション)」の話を展開していきたいと思っています。よろしくお願いします。
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