ウイグル人の次は回民、習政権のムスリム虐殺は続く
毛はまず馬一族と誼(よしみ)を交わすことで生き残りを図った。回民を「イスラム教を信仰する漢民族」と見なす国民政府に対し、共産党は回民に民族としての地位を認める「先進的」姿勢を打ち出して対抗。漢民族とは別の民族となれば、将来の共産党政権成立後に自治・自決権が与えられる。ムスリムの軍人は相次いで共産党を支持するようになり、国民政府から離脱した。
49年の建国後、共産党は回民に「回族」として寧夏で文化的自治は容認したものの、イスラム信仰に対して一貫して厳しい弾圧政策を採ってきた。50年代には回民知識人とイスラム教指導者を大量粛清し、地元教団を解散。66年からの文化大革命中には豚の飼育を強制し、モスクを破壊した。
習政権の今、寧夏回族自治区ではアラビア語の「ハラール」看板やモスク(イスラム礼拝所)上のドームが撤去。代わりに中国国旗が掲げられている。全ては新疆に学んだ結果、と同自治区の幹部たちは豪語する。
ジェノサイド条約も守らない共産党は、確実に時計の針を「後進」させているようだ。
<本誌2019年03月26日号掲載>
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