World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

ミャンマーの人々と生きる

顔見知りの花売りの子供たち:筆者撮影

おはようございます。
今月最後の連載は特に何かテーマを決めずに日記のように書いていこうと思います。
肩の力を抜いて読んでいただければと思います。

一つお知らせです。
トップ画に出しているのはヤンゴンの街で花を売っている子供たち、そしてそのお母さんの写真です。
ミャンマー最大都市のヤンゴンでもこうした子供たちが花を売って生活をしていかないといけないような状況が続いています。
私なりに何かできないかと小さな事ですが、フラワー&バナナという活動を始めました。

たった一人で始めた活動でしたが今では多くの人たちがこの活動を応援してくれています。
是非記事を読んで支援をいただければ幸いです。
よろしくお願いします。

それでは本題です。
ミャンマーに戻ってきて2カ月が経とうとしています。
やんごとなき理由から2年住んだ住居、そして9年近く住んだ街を離れて違うところへ引っ越してきました(とはいえヤンゴン市内です)
間に1カ月程ホテル生活もありました。

前は森が近くにあり、様々な鳥類の声がしていましたが、今の家は子供や大人の声が沢山していて、人の営みが近いなと感じる毎日です。
すぐ近くにヤンゴン環状線が走っているのもあり、朝列車の汽笛で目が覚める事もあります。
雨期の終わりは近づいているのですが、ここのところ毎日の雨量も多いように思います。
自転車で移動するようになって随分経ちます。
少々雨に濡れることなどは気にしないのですが、それが良くなかったのか先日来体調を崩してしまいました。

私にしては珍しい位の体調の崩し方でした。
どれくらいかというと、お医者さんに7年ぶりに行ったくらいです。
しかも最後に行ったのは歯医者さんだったのではないでしょうか?
それくらい医者にかかるような事は無かったのですが、扁桃腺が急激に腫れて喉がかなり痛いのもあったので病院に行ってきました。
どうやらウィルス性の風邪のようです。

ピークは越えたと思うのですが、未だに完調という訳にはいきません。
そもそもこちらに戻って来てから体調は良くない感じがあったのですが、ここに来て大きく崩れてしまった感じです。
日本からミャンマーに戻ってきたらバリバリと動こうと思っていたのですが、体調の事、住居の事、仕事の事、どれも思ったようにはうまくいきません。

感覚値ですが、20%くらいしか達成していない感じでしょうか?
自分が設定していた目標が高すぎたのかもしれませんが中々厳しい達成率だと思います。
とはいえ、落ち込んでいるかというとそうでもありません。
環境も体調も準備が整わない中でも出来る事はありますし、基本的には恐ろしくポジティブな人間なので酒飲んで思考停止になるというような時間は一分もありませんでした。

新居にはホテル暮らしをしていた時の荷物しかまだ無いので生活用品が揃っていません。
料理も出来ないので食事が毎回大変だなと感じています。
シャワーも無いので毎回気合を入れながら水を浴びています。
そして洗濯機も無いので水浴びをするついでにその日着たものを手洗いで洗濯しています。
机も椅子も無くてこれではさすがに作業がしにくいと思い、ついに近所でプラスティックの椅子を買いました。
そしてくみ上げた作業台がコチラです。

不格好で非常に作業はしにくいですが、物が無い中でも無いなりに工夫してやっていくのはゲーム感覚で考えれば楽しくもあります。
この辺りはミャンマーの人の工夫にいつも学ばせていただいています。
日本ほど当たり前のようにモノが揃っていない環境の中でたくましく、したたかに生きようとする姿勢はとても勉強になります。
そしていつも無邪気な笑顔で(気の抜けた顔とも言える)暮らしている人たちに元気を貰っています。

相変わらず毎日の停電はあります。
計画停電が毎日4時間。
プラスアルファで長引く事があったり、何故か短くなったり。
予定と違う時間で停電したと思ったらいつもの時間には停電しなかったり。
計画停電と無計画停電を交互に行いながら妙なバランスが取れているのかな?などと考えたりすると少し笑ってしまいます。

しかし、忘れてはいけない事があります。
この国は今、クーデター禍であるという事。
そしてこれまでに沢山の人が軍によって殺され、今日この瞬間もその殺人は行われているという事。

ミャンマーにいるとはいえ、一見平穏なヤンゴンにいると私でも勘違いしてしまいそうになりますが、これだけはキチンと意識しないといけないと思います。
想像してみてください、日本でもし今の平和な暮らしが続いていたとしても裏で軍が毎日なにがしかで人を殺しているとしたらどう考えたってそれはおかしいですよね?

大変な中でもこの国に笑顔はあります、しかし、もしかするとそれ以上の泣き顔が今日も産まれているのかもしれないと思うとどうにもやりきれなくなります。
私が出来る事は本当に小さな事しか無いと痛感する日々です。
目を凝らしていただかないと見えないようのモノではありますが、それでもめげずに続けていきたいと思います。

これまで9年ミャンマーで様々耐えてこられたのでまだもう少しはやっていけるんじゃないかなと思っています。
皆さんの応援があれば更にもう少し頑張れる気がします。
よろしくお願いします。
今月はこの辺で。
それでは、また。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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