ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々
何故ミャンマー世論調査は行われないのか?
皆さんこんばんは。
ヤンゴンではまだオヤツの時間の前ではありますが、時差の関係で日本ではそろそろ夜になるという事で夜のご挨拶をさせていただきます。
今月は堅い記事ばかりを書いているのですっかり忘れてしまいそうになりますが、私は産まれつきエンターテイナーです。
保育園時代、お昼寝の時間で布団の中に入ってもまだ歌を歌っていて先生たちを呆れさせたくらいのエンターテイナーです。
因みにその時歌っていたのはH2Oの「思い出がいっぱい」でした。
今後もエンタメを人生の中心に頑張っていきたいと思います。
今回、何故ミャンマーの世論調査は行われないのか?
という事を述べていきたいと思います。
エンターテイナーらしからぬ真面目で堅い話ではありますが、お付き合いください。
その前に一つお知らせです。
本日水曜日は毎週やっております
「ミャンマー言いたい砲台ラヂオ」の日です。
日本時間21時よりミャンマーに縁のある日本人二人が、ミャンマーと日本を繋いで言いたい邦題話しております。
是非おききください。
更にnoteで書いている放送後記も合わせてご覧ください。
それでは本題です。
世論調査をするという事がそもそも大それた事だなというのは自分も勿論考えました。
最初は「ミャンマー国民の意思を数字で示せるデータがあるならそれを推していこう」という考えでした。
検索をすればすぐに出てくるだろうと簡単に考えていたのですが、探せど探せど出てきません。
仕方がないので、日本人の知り合いにもミャンマー人の知り合いにも聞いてみましたが、クーデター後、世論調査と呼べる規模での意識調査はどうやら行われていなかったようです。
少なくとも私は見つける事ができませんでした。
公的な機関が現状調査をしていないという事はそういったデータを手に入れる事は絶望的なのかと思いました。
正直、私程度が考えた事など特別な事とは夢にも思ってはいませんでした。
きっと同時に1万人以上が思いついた事でしょう。
その中には公的な機関の人もいたハズです。
それでも現状、世論調査が出来ないと判断されているのであれば・・・
ですが、腐っていてもしょうがありません。
次は、何とかどこかの団体が実施してくれないものかと考えました。
世論調査の重要性はきっと感じてもらえるハズ。
ミャンマーを支援するべく沢山の団体が活動しているのだからきっと何とか調査してくれるだろうと考えました。
しかし、これも困難な道でした。
何故なら様々な団体は今まさに命に係わるような危機に面しているいる人の支援で手一杯であるからです。
世論調査の為に割く人的余裕も資金的余裕もあるはずはありません。
こうなるといよいよ手詰まりかという考えが頭をよぎりました。
最後の手段として、
「1人でもやれる範囲で行う方法を考えれば何とかなるのではないか?」
という考えに至りました。
結果としては広報の石川さんを始め沢山の方が協力してくれる形で第1回ミャンマー世論調査は行う事ができたのですが、最少人数として自分一人でも出来る方法があればとにかく調査自体は行えるはずだと思ったのです。
当たり前の話ではありますが、私は世論調査など行った事はありません。
統計学の専門家でもありません。
そもそもどのように行い、どのように分析すれば良いのか?
全く知識もありませんでした。
ですが、一つだけ可能性を感じる経験がありました。
過去に私が経営する会社MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. の活動などをFacebookページで伝えるという事を業務として行っていたのです。
最終的にフォロワーゼロから1年で30万になりました。
その間、様々な仮説検証をしながらミャンマーの人たちへのFacebookマーケティングを行った時に得た知識は使えると考えたのです。
エンターテインメントと世論調査では全く土俵は違うのはわかっていましたが、通じるものはあるだろうと考え、その形であれば最低でも数千という単位でミャンマーの人々の意見を集める事は可能だと考えたのです。
ただ、そのことでの大きな懸念はありました。
Facebookを主な募集方法として集めたデータが世論調査として統計学的にどれほどの信用性を出せるのか?という問題です。
ここに関してはこと今に至っても結論は出ていません。
今後、様々に分析していく中で明らかになっていくことなのか、結局のところ最後まで結論は出ないのか?
しかし、ミャンマー情勢は待った無しです。
ここで考え続けても結論が出る訳でもない事に時間を費やしている間にも情勢はどんどん悪くなるかもしれません。
Facebookを使っている人間で更に無作為でこちらが選んだ人間ではなく、応募に答えた人の答えた意識調査がどういうものなのか?
どれだけ考えても答えは出ないが、まだ誰もやっていない、やれていないのであればきっと挑戦する価値はあるハズ。
そういった思いでとにかく具体的に世論調査を完遂する方法を考え、仲間と共に行動してきました。
1万人が同時に思いついたであろう事。
だけど、誰もやれない、やろうとしなかった事。
果たして本当に意義がある事だったのかわからない事。
最初に思い立ったところから実に1年半近くの時間をかけようやく「第一回ミャンマー世論調査」は行う事が出来ました。
大きなバイアスがかかる調査になるという事は百も承知です。
果たしてこの活動がミャンマーにどんな影響を及ぼすのか、また及ばさないのか?
答えはまだまだ見えないところではあります。
それでも沢山の方々が命懸けになるかもしれない恐怖を感じながらも答えてくれた想いをキチンと受け止めて、最後まで突き進めていきたいと思います。
この記事を読んでくださっている皆さんにも引き続き注目いただき、応援していただけると幸いです。
それではまた。
ミャンマー世論調査機構(MYANMAR Organization for Public Opinion Research)
著者プロフィール
- 新町智哉
映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。
Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan