皆さん今晩は。
新町智哉です。
今回、前置きは無しにしてタイトル通りミャンマー世論調査の結果報告をしたいと思います。
こちらの調査に関しては今後、更に分析を重ねてミャンマーの現状をよりよく知る為のデータにしていけたらと考えています。
様々なところで参考にしていただければ幸いです。

ミャンマー世論調査募集広告画像

第一回ミャンンマー世論調査が、2022 年 11 月 11 日午前 11 時 11 分にミャンマー世論調査機構（MPOR）によって実施されました。
この調査は主にフェイスブックを使い告知募集を致しました。
対象は国内外にいるミャンマー国民です。
アンケートの募集は2023 年 1 月 11 日午前 11 時 11 分 11 秒に調査を終了しました。
この 2 か月の間に、同世論調査には 4,051 の回答がありました。
回答のうちデータが不十分だった 145 件を分析から除外し、残りの 3,906 件の回答を分析しました。
結果は次のとおりです。

1) 分析対象者の年齢
• 10代が4.6％
• 20代が11.9％
• 30代が23.8％
• 40代が20.8％
• 50代が22.6％
• 60代と以上が15.2％
• 回答しなかったのが1.2％

2) 分析対象者の信仰
• 仏教徒が79.9％
• キリスト教徒が3.9％
• 無宗教が3.2％
• イスラム教徒が1.9％
• 回答しなかったのが11.1％

3) 分析者の性別
• 男性が85.8％
• 女性が13.1％
• 回答しなかったのが1.1％

【分析の観点】
１. 軍事評議会が実施準備をしている2023年選挙についてのミャンマー世論
1.1) 支持するか否か
• 支持するが8.8％
• 支持しないが81.8％
• 分からないが6.6％
• 回答しなかったのが2.8％

1.2) NLD党が2023年選挙に参加すべきか否か
• 参加すべきが15.5％
• 参加すべきでないが66.4％
• 分からないが11.9％
• 回答しなかったのが6.2％

２. 国際社会からの対応について
• 強い経済制裁を望むが57.2％
• 特定目標の経済制裁を望むが20.1％
• 経済制裁を望まないが10.8％
• なんとも言えないが3.9％
• 回答しなかったのが8.1％

３. NUG支持の人がCDMやPDFなど手段を支持しているか
3.1) NUGが発表した連邦制度を支持するか否か
• 支持するが78.7％
• 支持しないが7.7％
• 分からないが8.5％
• 回答しなかったのが5.1％

3.2)国民防衛隊（PDF）を支持するか否か
• 支持するが78.2％
• 支持しないが11.2％
• 分からないが6.8％
• 回答しなかったのが3.8％

3.3) クーデターに対する市民的不服従運動（CDM）を支持するか否か
• 支持するが79.6％
• 支持しないが10.2％
• 分からないが5.9％
• 回答しなかったのが4.2％

４. 連邦制、少数民族への理解などビルマ族からそれ以外の民族への考えやその逆の考え方について
回答者の割合は、
• ビルマ族と答えたのが78.0％
• カレン族と答えたのが3.6％
• シャン族と答えたのが3.3％
• チン族と答えたのが1.0％
• カチン族と答えたのが0.9％
• モン族と答えたのが2.0％
• ラカイン族と答えたのが2.6％
• その他と答えたのが6.9％
• 回答しなかったのが1.0％

4.1) NUGが発表した連邦制を支持するか否か（全体の場合）
• 支持すると答えたのが78.7％
• 支持しないと答えたのが7.7％
• 分からないと答えたのが8.5％
• 回答しなかったのが5.1％
　　　4.2) NUGが発表した連邦制を支持するか否か（ビルマ族の場合）
• 支持するが80％
• 支持しないが8％
　　　4.3) NUGが発表した連邦制を支持するか否か（少数民族の場合）
• 支持するが75％
• 支持しないが13％
　　　4.4) NUGが発表した連邦制を支持するか否か（マルチレイシャルの場合）
• 支持するが81％
• 支持しないが9％

５. 支持政党別の意見
2015年選挙で
• 投票したが72.4％
• 投票しなかったが24.3％
• 回答しなかったのが3.4％
• NLD党に投票したが65％
2020年選挙で
• 投票したが87.3％
• 投票しなかったが11.6％
• 回答しなかったのが1.1％
• NLD党に投票したが90％

６. クーデター後、生活の変化について
電気供給状況について
• 頻繁に停電するが89.0％
• 停電の頻度が以前と変わらないが3.7％
• 分からないが1.9％
• 回答しなかったのが4.8％

軍の攻撃を受け従来の定住地から離れた所にいるのかについて
• はいと答えたのが14.4％
• いいえと答えたのが63.3％
• 回答しなかったのが22.3％

水の供給状況について
• 断水が頻繁になったが34.0％
• 断水の回数が変わりないが19.1％
• よくなってきたが2.1％
• 分からないが27.4％
• 回答しなかったのが17.4％

７. クーデターが妥当かどうかについて
• 不当なので受け入れられないが83.9％
• 不当だが受け入れたが4.3％
• 妥当だと見て支持したが4.9％
• 妥当だと思わないが支持したが3.8％
• 回答しなかったのが3.1％

８. 民主政府のリーダーや活動家の拘束について
• 不当だと思うが85.3％
• 妥当だと思うが6.9％
• 分からないが5.3％
• 回答しなかったが2.5％

９. 国民統一政府NUGへの支持について
• 支持するが77.9％
• 支持しないが11.1％
• 分からないが7.8％
• 回答しなかったのが3.2％

以上です。
第2回ミャンマー世論調査も予定しております。
引き続き注目いただけたら幸いです。

こちらに調査結果の全グラフデータを公開しています。
合わせてご覧ください。

ミャンマー世論調査機構（MYANMAR Organization for Public Opinion Research）

次回は分析結果から見えるミャンマー情勢についてもう少し突っ込んだ話をしていきたいと思います。
それではまた明日。