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ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

第5話「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち

公式FBページより

今回の記事はシリーズの5話目です。
まだこれまでの記事を読んでいない方はそちらからお読みください。

「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち


続:「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち


第3話:「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち


第4話:「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち

会見の様子は今となってはほとんど記憶にありません。
そもそもミャンマー語がわからないのもあって色んな偉い人が挨拶をしていっても全く内容がわからないというところではあったのですが。
「監督さんが話をされてるな」とか「なんか偉い感じの人が喋っているな」としか感じませんでした。
そんな中でもSUZUKIの人たちの挨拶が合ったのは印象的です。
そうなんです。
日本車のSUZUKIが今回映画のスポンサーに名乗り出たんです。


国策のアウンサン歴史映画が始動、日本人10人以上出演、監督「鈴木大佐との絆」描く スポンサーはスズキ


今回の映画の中で、日本人としては最重要人物、鈴木 敬司氏がいることなどもあってSUZUKIとしてもスポンサーとして凄く意義のある事だと感じたようです。
ミャンマーの映画製作費としては大きな大きなスポンサードだったと聞いています。
2012年から企画が始まった「アウン・サン・ザ・ムービー」は過去何度も製作がストップした経緯がありますが、このSUZUKIの参入は大きな転換期になったのは間違いありません。

なるほど、そんな経緯もあって今この映画製作が盛り上がるに至ったんだなと、大きな会場での会見を見ながら感じていました。
そして、一旦会は仲締めのような形になり、フリーでの歓談タイムが始まりました。
と、実はこの時間はスー・チーさんが各関係者に挨拶をするという時間だったんです。
「いよいよ来たのか!」
と緊張し始めました。
私たちのテーブルからもスー・チーさんが各テーブルを回っていくのが見えます。
ここまで来て、何故かボーズの日本人が10人も浴衣を来て座っているテーブルをスルーしていったらどうしようと思わなくもなかったですが、私たちのテーブルにも来てちゃんと座って話をしてくれました。
その時の映像がこれです。
スマホで撮ったものなので音が悪いですが雰囲気は伝わると思います。

あまり映像も音声も良くないですが、雰囲気だけでも伝われば。
この映像の後にも話は続き合計で言うと5分くらいだったでしょうか?
間違いなく人生で一番フワフワした時間だと思います。
私の経験の中で間違いなく一番すごい人と過ごした時間でした。
スー・チーさんは凄く可愛らしい人だという印象でした。
決して大きくない身体からチープな言葉かもしれませんが、オーラみたいなものが湧き出ているといった感じでしょうか。
静かですが、言葉一つ一つに力があり、それでいて優しさもユーモアもある不思議な魅力を感じる方でした。


ルミン監督に我々を紹介してもらいながら話しをしました。
この映像の中でスー・チーさんが「キタジマ」という言葉を発していると思います。
これも当時のキーマンの1人でミャンマーの人でも知っている日本人の1人です。
「キタジマの役は誰がやるの?」
と言った感じでスー・チーさんが聞いていて、監督がえ~っとと探して私を指しています。
その時に私がその役だというのがわかりました。

この日からこの「キタジマ」なる人物について、役作りの為猛烈に調べて勉強していくことになります。

なのですが、
結局私はこの「キタジマ」という役とは別の役をやることになりました。
これを聞いて日本の皆さんはビックリするかもしれませんが、ミャンマーではこういう事はしょっちゅうです。
主役級はキチンと配役は勿論決まってはいるんですが、それ以外の役については最悪現場で決まるという事もあります。

「キタジマ」について調べた事は役作りには役に立ちませんでしたが日本とミャンマーの当時の歴史を勉強するキッカケにもなり、結果映画全体のイメージをつかむのには凄く役に立ったと思います。

この会見から1カ月以上、私たちに出番が回ってくることはありませんでした。
こちらのスケジュールを出してはいたんですが、その結果も中々回ってきません。
この辺りもミャンマーならではというところです。
みんなそれぞれに仕事があるので半分スケジュールを押さえられたまま撮影があるのかどうかもわからない状況は辛かったと思います。
私も本当に出られるのかどうかというモンモンとした時期ではありましたが、遂にその時が来ます。
次回は、いよいよ私のクランクイン(撮影初日)と、もうひとりの主人公、鈴木敬司役の俳優さんについての話をお届けしようと思います。

それではまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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