スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~
インド高度人材採用論<実務入門・後編>
2.フォローアップ
最後に、入社後のフォローアップですが、どうしても辞めてしまう時は辞めてしまうので、一種の割り切りが必要です。
しかし、割り切り過ぎてしまうと採用プロセスを無限に回す必要があり、採用担当者が疲弊してしまいます。
なので、まずは日本とインドの間に存在するギャップ(コミュニケーション、働き方に対する考え方)を埋めるアプローチをとりましょう。
①社員が辞めてしまう要因
・業務において新しく学ぶべきものがなくなり、新鮮味がなくなった。
・ジョブローテーションが多すぎて専門性を高めることができなそうと感じた。
・英語でのコミュニケーションが出来ない人が多いので、コミュニケーションコストが高いと感じた。
・他社の方が待遇よさそうで、権限移譲も早そう。
*筆者が知人や日系企業に過去勤めていた人よりヒアリング
上記踏まえたうえで、日本とインドにおける異なる文化体系における差異を埋める工夫をしていきましょう。
②今までの文化とは異なる日系企業の勤務に適応できているか?
エリンメイヤー教授 ''The culture map''が異文化理解のフレームワークとしておススメ。
例:プロジェクト管理に係るスケジュールの考え方
日本(直接的な時間):重要なのは締切遵守であり、スケジュール通りに物事を進めることが大事。
インド(柔軟な時間):大切なのは柔軟性であり、結果的にアウトプットが出ればいい。
<参考:日印ビジネス文化のブリッジとなる研修プログラム>
AmegumiIndia代表&NPO結びて団体 代表理事 福岡 洸太郎氏:
過去、インドの日系人材エージェントでも勤務経験。インド渡航後、短期間でトップエージェントとなった実績あり。日式ビジネスの良さを伝える研修プログラムを整備、展開中。
(以下の概念図は福岡氏資料より引用。)
以上、2回に渡って高度人材採用論を紹介してきましたが、本稿を通じて採用活動のお役に立てれば幸いです。
今回は入門編だったので、次の寄稿で応用編としてもっと実務に踏み込んだ内容を紹介していきます!
読者の皆様におかれましては、本年もありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
著者プロフィール
- 永田賢
Sagri Bengaluru Private Limited, Chief Strategy Officer。 大学卒業後、保険会社、人材系ベンチャー、実家の介護事業とキャリアを重ね、2017年7月に、海外でのタフなキャリアパスを求めてYusen Logistics India Pvt. Ltdのベンガルール支店に現地採用社員として着任。 現地での日系企業営業の傍ら、ベンガルールを中心としたスタートアップに魅せられ独自にネットワークを構築。2019年4月から日系アグリテックのSAgri株式会社インド法人立ち上げに参画、2度目のベンガルール赴任中。
Linkedin: https://www.linkedin.com/in/satoshi-nagata-42177948/