スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~
インド・スタートアップエコシステムとの付き合い方(基本編)
大変光栄なことに、最近「インドのスタートアップエコシステムとの組み方」というテーマで何度かお話させていただく機会に恵まれましたので、備忘録もかねて、まず何を気を付ければいいのかのポイントをまとめてみました。
1.まず気を付けるべき点
まず、前提として気を付けておいた方がよい点を紹介します。
(1) なんでもかんでも「インド」として括って主語が大きすぎてしまうと、分析を誤ってしまう可能性があります:日本と比べて、インドは民族・宗教・言語・文化が細分化されているので、主語が大きくカテゴライズしてしまうと、勘違いの元となります。
(2) 滞在年数や経験年数よりも「密度」が大事(自戒を込めて):この点もただの年数ではなく、何をどのように成し遂げたのかが重要で、再現性にもつながってきます。ですので、僕が「インド滞在〇〇〇年」とか言い出したらまずいと感じてもらえればとw
(3) 日本よりも玉石混交であるということを理解しないと、いろいろ辛くなってしまう:(1)と繰り返しになりますが、日本と異なる環境という前提がないといろいろ辛くなってしまいます。
ハードシングス系だと、こういうこともあり得ると事前に覚悟をしておくと後々楽だと感じました。
インドで体験した大変(困難)だった経験事例|スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~|World Voice|ニューズウィーク日本版 (newsweekjapan.jp)
2.嫌われてしまう行為一覧
続いて、これをやってしまうと、信頼関係構築に支障をきたしてしまう行為をご紹介します。動作とその横にエコシステムプレイヤーからの本音を紹介します。
(1) オフィスを見学したい!:うちは観光ビジネスではない!
(2) 情報交換しよう!ジェネラルなディスカッションをしよう!:ググれ!ってかジェネラルってどんな定義??????
(3) ご挨拶したい!:メールでいいし、なんなら今ならオンラインでもいいじゃん!
(4) 勉強させてほしい!:大学院かMBAでやってほしい!
3.目標設計の仕方(論点)
前提部分の留意点を整理し終えたところで、エコシステムと組むための目標設計:どんなゴールを設計すればいいか?っていう際に論点となる項目を紹介します。
(1) 目的は一つのみならず、多岐にわたるパターンも:市場参入だけ!オープンイノベーションだけ!というわけにはいかないので、重複的に目標設計となる場合もあるでしょう。
(2) B/S, P/Lとの兼ね合い:どれだけ何年で回収するか?の視点で短期決戦なのか、中長期路線なのか決まってくるかと。
(3) インドであることの必然性:その目的ってインドじゃないといけないのですか?(深圳、イスラエル、シンガポールでもいいのでは?)
(4) 正しい人に出会うことができていますか?(とにかくライトパーソンに出会いたいのが本音だと思うので、どうやって探すかは留意すべきかと。)
ライトパーソンの話はこの記事も参照できます。
[目標の例]
投資:LP投資、直接投資
市場参入:代理店開拓、直接営業、JV設立
研究開発:新技術探索、大学との共同研究
人材採用:エンジニア採用、インド市場開拓のための人材登用
こんな感じで、まず気を付けなければならない点を3つ紹介させて頂きました。
引き続き具体的なケースも紹介できればなので、乞うご期待です!
著者プロフィール
- 永田賢
Sagri Bengaluru Private Limited, Chief Strategy Officer。 大学卒業後、保険会社、人材系ベンチャー、実家の介護事業とキャリアを重ね、2017年7月に、海外でのタフなキャリアパスを求めてYusen Logistics India Pvt. Ltdのベンガルール支店に現地採用社員として着任。 現地での日系企業営業の傍ら、ベンガルールを中心としたスタートアップに魅せられ独自にネットワークを構築。2019年4月から日系アグリテックのSAgri株式会社インド法人立ち上げに参画、2度目のベンガルール赴任中。
Linkedin: https://www.linkedin.com/in/satoshi-nagata-42177948/