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ダイバーシティ先進国ベルギーから観る欧州 LGBTQI 事情

ひきりん|ベルギー

視聴率男となったゲイコンビ♪ @ フランスの年越し歌番組

古今東西、大晦日、年越しの人気はやっぱり音楽番組?

日本では大晦日にはNHK『紅白歌合戦』のほか、民放でも『第53回年忘れにっぽんの歌』、そして年越しは『CDTV ライブ!ライブ!年越しスペシャル 2020→2021』『日本中に元気を!!ジャニーズカウントダウン2020-2021』『東急ジルベスターコンサート 2020-2021』 と歌番組、音楽番組がズラリ!他にも年末年始には音楽番組がいくつもあって大人気ですね。

ところ変わってベルギーはというと。人口が1100万人と日本の10分の1以下、加えて北のオランダ語圏と南のフランス語圏とで公共放送のテレビ局も分かれているこの小国では、国民的テレビ番組も南北で別々で日本の地方局レベルの規模、自然と予算も限られるので、あまり魅力的な番組構成となりません。

さらにケーブルテレビの時代からフランス、ドイツ、イギリスなど周辺の大国のテレビ局も映るベルギーですので、外国人の僕としては自然とそちらにチャンネルを合わせがちに。

こないだの大晦日は、夫が夜9時過ぎにドイツの公共放送ZDFにチャンネルを合わせましたが、毎年行われているベルリンのブランデンブルク門前の特設会場から無観客でスター歌手たちが出演する音楽番組が生放送されていました。

それから同じく音楽番組で構成されていたドイツとフランスのチャンネル計4局を行ったり来たり頻繁に切り替えて、好きなアーティストや曲を楽しみました。その間にBBCもチラ見してみましたが、大陸より1時間遅れるように時差があるためか、まだニュースや通常番組のお時間。ニュースでは、EU側との合意を受けてブレグジットが完了する日でしたので、関連ニュースが大々的に扱われていました。

そのチェンネルのザッピング後に固定したのが、France 2 です。

というのも、そこに映し出されていたのは、ヴェルサイユ宮殿内の鏡の間と王立オペラ座とを舞台に華やかな音楽ショー。歴史絵巻のような光景の中で現代のアーティスト達のパフォーマンスが繰り広げられていたのでした。

歴史絵巻に登場する多種多様なアーティスト

カウントダウン20分を切ったところで、ダンサーたちが往時の衣装を身に纏い、鏡の間で舞踏会が催されているという、まるでマリーアントワネットの世界が出現!そんな演出の中、ベルギーの旧植民地コンゴ出身でフランスヒップホップ界の大物 ギムス Gims "Jusqu'ici tout va bien"『これまでのところ、すべてが順調』という曲をダンサーたちを従えて歌うというシチュエーションです。


Jusqu'ici Tout Va Bien Gims @ La Grande Soiree du 31 a Versailles.jpeg
France 2,《 La grande soirée du 31 à Versailles 》 テレビ画面より筆者撮影

この後も、年越しまであと10分となったところでアルジェリア起源のライ raï と呼ばれるアラブ・ポップスの歌手2人が登場。そのうちの一人 ハレド Khaled が90年代にヒットした曲『Aïcha』を披露(アイシャはアラブ女性の名前)。まるで、紅白歌合戦のトリ近くで登場する演歌歌手のようです。

多民族国家、移民国家フランスを象徴するようなベテラン勢が大活躍です。

Profile

著者プロフィール
ひきりん

ブリュッセル在住ライター。1997年ドイツに渡り海外生活スタート、女性との同棲生活中にゲイであることを自覚、カミングアウトの末に3年間の関係にピリオドを打つ。一旦帰国するも10ヶ月足らずでベルギーへ。2011年に現在の相方と出逢い、15年シビル・ユニオンを経て、18年に同性婚し夫夫(ふうふ)生活を営み中。

ブログ:ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記 

Twitter:@hiquirin

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