フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治状況に比べれば、日本のほうがまし?

G20サミットでの各国首脳と石破茂首相(後列右から3人目、24年11月) PILAR OLIVARES–REUTERS
<1年で3回も首相が交代したフランスなど他の先進国と比べれば、日本の政治は安定していると言っていい>
私は日本の政治家をよく批判する記者だが、「もしかしたら、日本の政治のほうがましではないか」と最近思うようになった。「いやいや、日本の政治は駄目だよ」と反論する読者は少なくないかもしれないが、世界中、特に先進国で起きていることを見れば、日本の政治は駄目だという意見が変わる可能性もある。
日本政治の問題は、日本の未来像を持っていない政治家が多く、彼らが国民の日常生活の課題を知らず、その課題を解決できる政策を考えず、時代錯誤の考え方が根強く、政治と金の問題が繰り返し噴出する......と、いくつも挙げられる。
でも今は自民と公明の与党が衆議院で過半数割れしているので、与党が勝手に政策を決めることはなく、野党と議論し、よりバランスの取れた政策につながることが期待できる。つまり、より民主主義的に国が運営されている。
善くも悪くも自民党の存在感が大きく政権交代があまりない、自民党は部分的に極右だから別の極右政党が生まれて力を持つ可能性が低い、極端な人が首相になるリスクが低い、ともいえる。結局、比較的ではあるが、日本の政治は安定している。
以前は私の母国フランスの政治状況のほうが安定的だったが、最近は心配するほどひどくなった。昨年1年間で首相が3回代わった。12月に4人目の首相になったフランソワ・バイルも、数週間か数カ月で辞職する可能性がある。
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