日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻な問題

東京大学の安田講堂 CDRW/SHUTTETRSTOCK
<感情的な反発も起こっているが、中国には中国の、日本には日本の「日本の大学が中国人だらけ」になる理由がある。しかし、私はここで同胞の不正行為を暴露したい>
最近、週刊誌やネットメディアで「東大が中国人だらけになっている!」という記事を頻繁に見かける。確かに日本の最高学府である東京大学には現在3545人もの中国人留学生が在籍しており、その割合は学生全体の12%強に及ぶ。留学生の大半は大学院生なので、大学院に限れば4~5人に1人が中国人という状況だ。
噂の現場を確かめるべく、先日、東大の本郷キャンパスを訪れた。するとそこには驚きの光景が広がっていた。
赤門前の本郷通りに軒を連ねていた書店は激減し、代わりに「ガチ中華」を含む中華料理店が台頭。構内に入れば、そこら中から中国語が聞こえてくる。将来わが子をこの大学に......と、下見を兼ねた見学なのだろうか。有名な安田講堂(写真)の前では中国人観光客の御一行が記念写真を撮影していた。
私は2年ほど前、中国人留学生の増加についてコラムに書いた(日本よ、留学生を「優遇」する国であり続けて)。その時にも指摘したが、学費が安く、奨学金なども利用しやすい日本の大学は「コスパがいい」。
何より競争が熾烈な中国でトップレベルの大学に合格するのは並大抵ではなく、それに比べれば東大の入試は「簡単」なのだ。中国人留学生が増えるのも当然だろう。
一方、日本政府も留学生の受け入れ拡大を掲げ、東大も近年、留学生数を増やしてきた。少子化が進む日本では学生の数が減っている。大学間の国際競争に勝つという意味でも、留学生が多いのは本来、喜ぶべきことであるはずだ。
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