コラム

日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻な問題

2025年02月26日(水)17時55分
周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)

しかし、それでも「中国人だらけ」は警戒を呼ぶ。当然ながら「最先端の研究内容が中国に漏洩するリスクがある」などと懸念する声が上がっている。「東大が中国に占領される!」は一見、感情的すぎる反応のようだが、日本人の不安も分からなくはない。

そして実際、ただの感情的反応とは言えない深刻な問題も起きている。たたかれる覚悟であえて同胞の不正行為を暴露したい。中国の悪名高いお家芸──カンニングと裏口入学だ。東大とは言わずとも、それらの悪行が日本の大学で横行し始めている。


まず、カンニング。中国では毎年、高考(全国統一大学入学試験)が近づくと、ネット上で外部と情報をやりとりできる眼鏡型のスマートグラスや腕時計型のスマートウオッチが公然と売買される。そのため中国では、入試会場周辺で電波を遮断したり、会場に入る前に探知機で持ち物検査をする。また、試験会場ではのぞき見を防ぐため机と机の間が広く取られるのが一般的だ。

一方、日本は全くの無防備と言っていい。入場の際のチェックは皆無。留学生向けの試験会場の監督はアルバイトの留学生で、中国人向け予備校の講師によれば、買収されるケースもある。テストの解答を手に入れたり、替え玉受験をしたりと、やりたい放題であるかのようだ。

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