少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?
問題は莫大な教育費だけではない。電車でベビーカーを邪魔だと言われた、近隣住民が「子供の声がうるさい」と文句を言う、子供が学校でいじめに遭った、SNSに巣くう悪い大人にだまされた......そんなネガティブな情報ばかりが流れ、子育てに希望を持てない人が多いのではないか。
メディアにも責任の一端があるだろうが、私が常々思うのは、子育ての楽しみを想像できていない人が多いのではないかということ。あるいは逆で、子供を持つ側が「伝えていない」ことが原因かもしれない。
子供はかわいいし、成長する姿を見守ることができるのは何よりうれしい。自分も一緒に成長していけるし、たくさんの刺激をもらい、新たな経験を積み重ねることができる。子供がいることで若々しくいられるし、子供から無条件の愛ももらえる(これは幼児期限定だろうけれど)。月並みで平凡かもしれないが、こういった小さな幸せの積み重ねが子育てだと思う。
もちろん、結婚したくてもできない人や、事情があって子供を持てない人もいるだろう。でもそうでなければ、国のためではなく何よりも自分の幸せのために、子供を持つことを考えてみてほしい。
子育ては、苦労も多いけれど楽しいもの。わが家には上は22歳から下は4歳まで4人の男の子がいるが、妻も私も幸せです。
私の国籍は中国だけれど、息子たちはみな日本国籍。日本の少子化対策に貢献した中国人として、いつか日本政府から表彰してもらえないだろうか(笑)。
周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院を修了。通訳、翻訳、コーディネーターの派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレントとしても活動している。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら