短歌はなぜ現代の人々に愛されているのか?
短歌を詠んでいくと、言葉だけではなく、心の整理整頓ができることが多い。特に不安や心配が高まっているとき、短歌を作ると頭も心もスッキリしてくる。
複雑だった自分の感情と向き合い、私は一体何を言いたいのか、何を望んでいるのかを考える時間が自然とできるからだと思う。
そうはいっても「皆さん、短歌をやりましょう」と言うつもりは全くない。
ただし、言葉を一つ一つ大事にしながら言葉の引き算を意識していけば、マインドフルネスのように心まで整えることができると短歌が私に教えてくれたことは伝えたい。
短歌に限らず、現代社会を生き抜くために必要なメソッドは、実は日本文化の中にたくさん潜んでいるのではないか。過去と今をつなげれば、そこにいろいろな答えがあるかもしれない。
一首ずつ我が歌を詠む日々こそが
日本で生きる証になれば
――カン・ハンナ 歌集『まだまだです』所収
ソウル出身。2011年に来日し、2020年に歌集『まだまだです』で現代短歌新人賞受賞。NHKラジオ「ステップアップハングル講座」に出演し、起業家としてコスメブランドも立ち上げた。著書に『コンテンツ・ボーダーレス』。

アマゾンに飛びます
2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら