安倍元首相の国葬は感動的で成功──だからこそ危険な「歴史修正」だった
悪い部分をないものにするという目的
亡くなった直後の海外の研究者や日本専門家の言葉を読むと、いかに安倍元首相が外交活動の面で高く評価され、良い印象を与えていたかが分かる。海外で自分の良いイメージをつくるのは彼の才能だった。
自民党と岸田政権が決定した「国葬」の目的はその良い部分を強調し、悪い部分をないものにすることだった。もしその点で成功したなら、過半数が反対する国葬の実行を内閣だけで決めたという民主主義の失敗である上に、リアルタイムの「歴史の修正」と言っても過言ではない。
50年後も今回の国葬の映像は残るが、反対運動をめぐっては何が残るのか。そう考えれば、これからは歴史や政治の専門家や、マスコミの役割が非常に重要だ。今こそ安倍元首相がやったことを改めて点検し、分析しないといけない。100%良くないわけでもないので、本人の実績を認めながら、安倍氏と安倍政権の暗い部分をしっかりと検証して報じるべきだ。
そうした調査や取材が実現しないように自民党などが動くことも予想できる。容易な仕事でないのは確かだが、日本のためには必要なことだ。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。Twitter:@karyn_nishi

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