統一教会問題、今も解消されない根本的な疑問
KIM KYUNG HOON-REUTERS
<あれこれ調べても、納得がいかない。なぜ日本の保守政治家たちは、韓国の「反日」宗教団体と手を結んだのか。誰か教えてほしい>
外国人として、第三者として、どうにも解せないことがある。いま世間を騒がせている旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と日本の政治家との関係だ。
これは私だけでなく、多くの人が首をかしげていることだと思うが、日本の「嫌韓」保守政治家たちはなぜ韓国の「反日」宗教団体と手を結んだのか(それも、9月8日の自民党の発表によれば179人も!)。
自分たちの支持者である保守派がこれを知ったらどう思うか。そうしたことに考えが及ばなかったのだろうか。中国のネット上にまで「なぜなんだ? 誰か教えてくれ!」という声が噴出している。
テレビ朝日の『朝まで生テレビ!』で、田原総一朗さんが公明党議員に「統一教会と創価学会はどこが違うんだ?」と直球の質問を投げ付けているのを目にした。追及を受けた議員はばつが悪そうな表情を浮かべていた。
双方とも日本の政治に深く食い込んでおり、確かに似ている点があるかもしれない。
ちなみに信教の自由がない中国からすれば、統一教会は明らかな「邪教」で、取り締まる対象。一方、「友好団体」と言われる創価学会も、実は以前から警戒されている。いくら日中国交回復に貢献したと自負していても、中国で布教はできない。前者同様、「新興宗教」の範疇に入っているからである。
だが統一教会は韓国の宗教、創価学会は日本の宗教、という大きな違いがある。どちらかと言えばリベラルで「親中」の創価学会に対し、統一教会は「反共」を掲げている点も異なる。
反共産主義的な側面だけ見れば、日本の保守政治の「反中」姿勢と相性がよかったと言えるかもしれない。だが統一教会は、日本は韓国に贖罪すべしと教え、霊感商法で日本の家庭から金を巻き上げ、合同結婚式で日本の女性を韓国に嫁がせた団体だ。
日本はカモにされている。これは昨今初めて明るみに出た事実ではなく、自民党の先生たちが知らなかったはずもない。
私自身、あれこれと調べてみたが疑問は消えない。ニューズウィーク日本版で2週前に「統一教会 虚像と実像」と題した特集を組んでいたのでそれも目を通したが、石戸諭氏のルポによると、統一教会は保守派にもリベラル派にも食い込もうとしていたという。
これではますます訳が分からない。結局、日本の保守派にとって「反中」も「嫌韓」もご都合主義のスローガンにすぎなかったのか。
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