コラム

世界に誇るべき日本の「ウナギのかば焼き」

2020年09月04日(金)11時30分
周 来友(しゅう・らいゆう)

ところが来日して少したった頃、大学のゼミの先生に「ウナギでも食うか」と誘ってもらい、食べたウナギに驚愕する。軟らかく、骨が気にならないのに加え、濃厚なタレが絶妙だったからだ。初めて食べる日本のウナギ。あまりのおいしさに、私はすぐにとりこになってしまった。以来、毎年土用の丑の日には必ずウナギのかば焼きを食べている。家でも食べるし、近所に行きつけの店もある。もちろん今年の夏も、大学生になった長男と一緒に食べた。

そのウナギ、天然か養殖か、あるいは日本産か中国産かで評価が分かれ、値段の高い日本産は庶民にはなかなか手の出せない高根の花と言えるだろう。ただ、日本でウナギに感動したと言っておきながら恐縮だが、私自身はこうした違いにそこまでこだわりはない。ただただウナギのかば焼きが大好きで、こう思っているだけだ。

日本の「社会主義」は世界に「輸出」すべき優れた社会体制だが、それと同じくらい、ウナギのかば焼きも世界に誇るべき日本の素晴らしい食文化だ──と。

Zhou_Profile.jpg周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「地球ジャーナル ゆあチャン」)としても活動。

<2020年9月1日号掲載>

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2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。

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