同じやり方で、後期高齢者のうち(身寄りがない)未婚者が何%かを都道府県別に出すと、2050年の最高値は東京で21.0%にもなる。都内のエリアごとの違いもあり、23区の地図を5%区分で塗分けると<図1>のようになる。
これから先の変化が一目瞭然だ。2050年ではほとんどの区で20%を超え、最も高い北区では31.4%にもなる。後期高齢者の3人に1人が、身寄りのない未婚者ということだ。入院はもちろん、賃貸住宅を借りるのも容易でない。都市部では特に、身寄りのない高齢者の問題が深刻化する。
日本では長らく、高齢者の生活保障(福祉)は家族に委ねられてきたが、今後は家族依存の福祉は成り立たなくなる。儒教意識が急速に薄れている韓国も過渡期にあるが、韓国では年金等の社会保障が十分でないため、高齢者の自殺率が極めて高くなっている。社会全体での「包摂」を進めないと、近未来の日本も同じ状況になるだろう。