2カ月たっても消えない......ハンガリー「日本人女性DV死」への怒り
A Tragic Life
みどりさんは約20年前、留学先のアメリカで知り合ったデイビッドと結婚。ドイツを経て、10年ほど前にハンガリーに移り住んだ。友人たちの評によれば、デイビッドは「黒いオーラを持つ」人物だ。「目が合うと身がすくんで動けなくなる。『日本人は嫌いだ。近寄るな』という独特の雰囲気だった」と、日本人の友人は証言する。子供たちが日本語を話すことさえ嫌っていた。父親の米国籍を捨て、母親のアイルランド国籍を選択。未成年時にアメリカで犯罪を犯した経歴があるデイビッドは、今もオンラインで違法に収入を得ていると、みどりさんは友人たちに打ち明けていた。
ハーグ条約で帰国できず
ハンガリーのDV被害者支援団体パテント協会のユリア・スプロンズ弁護士によると、デイビッドの意向で子供2人はいずれも出生地主義のブラジルで生まれ、日本、アイルランド、ブラジルの三重国籍者だった。デイビッドは友人に「ヨーロッパはもう終わっている」「何かあったときに、いつでも違う国に行ける」と話していた。
子供が生まれた後、みどりさんに対するデイビッドの暴力は次第に激しくなった。「ハンガリー語がしゃべれず学歴もないせいで、おまえは仕事にも就けない」と日常的に罵倒され、ベランダで首を絞められたり、銃を突き付けられることもあった。しかし、みどりさんが相談しても、地元警察はデイビッドを1日拘束しただけで釈放。ハンガリーでは取得が難しい銃の所持免許を持っていたが、それも取り上げられなった。