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荒川河畔の「原住民」(26)

「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生活保護受給者...

2025年3月28日(金)19時05分
文・写真:趙海成

生活保護を申請して「本当によかった」

彼は生活保護受給者になった経緯を話してくれた。

「私はもう63歳になりますが、結婚をしたことがなく、ずっと一人暮らしをしてきました。会社に入ったり辞めたりを繰り返した結果、心身が疲れてしまい、気力を失いました。

特にコロナ禍の後は仕事を探しにくくなり、家賃も長く滞納しました。アパートから追い出されてからは、毎日ネットカフェにいる生活をしていました。定住所がないため、自分の住民票も区役所に取り消されました。

一時的にホームレスになろうと思ったこともありましたが、その生活に自分の体が耐えられないのではないかと恐れ、結局あきらめてしまいました。先行きの見通しが立たない中、生活保護を申請してみようと考えました。

自分には住むところがないし、住民票もないし、申請できるかどうか、心配しながら近くの福祉事務所の生活保護担当の窓口に足を運びました。申請手続きは思ったほど難しくありませんでした。申請してから、調査などを挟んで、2週間後には生活保護が通ったという通知が来ました。

その後、福祉施設に入所し、心身ともに3カ月療養してから、施設の独身アパートに移りました。いま考えると、生活保護を申請して、本当によかったのです」

生活保護は国民の権利、必要となる事態は誰でも起こりうる

彼に将来の計画についても尋ねてみた。

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