トランプ大統領との関係を修復したウクライナ...「停戦合意」も根本は未解決
また、ジョウクヴァ氏は、今回の会談では領土に関する議論がほとんど取り上げられず、停戦は和平プロセスの第一歩にすぎないとの認識も示した。「ウクライナは決して領土を譲らない。極めて単純だ。そのような声明や宣言はあり得ない。なぜなら、それには憲法の改正が必要だからだ」と訴えた。
根本的問題は未解決
一方、2019年から20年まで国防相を務めた軍事アナリストのアンドリー・ザゴロドニュク氏は、米国との関係が顕著に改善したことを成果に挙げつつ、根本的な問題は未解決だと指摘した。米国がロシアとの直接的な外交交渉を開始し、ウクライナ戦争に関する政策を大きく転換してから数週間が経過したが、その状態は今でも変わらないとの立場だ。
「ロシアが和平と引き換えに何を求めるのか、まだ分からない。米国がウクライナの立場を支持するのか、それともウクライナの主張は基本的にロシアほど重要ではないと考えるのか、それも分からない」と言う。
英王立国際問題研究所チャタム・ハウス9のロシア・ユーラシア・プログラムの上級コンサルティングフェロー、キール・ジャイルズ氏も同じ見方だ。「今の前線を固定することは、戦争が本当に終結するという長期的な保証のないままロシアに利益を与えてしまうリスクを伴う。それによってロシアが現在支配している地域が事実上恒久化された支配地域となり、紛争が解決されるのではなく凍結されることになりかねない」と話す。
ロシア政府は12日、米国からの停戦提案の詳細を待っていると発表した。一方、ロシア政府高官筋は、合意にはロシアの進軍状況が考慮され、ロシアの懸念が反映されるべきだと述べた。