セブン買収提案、合意に時間かかってもあきらめない=クシュタール会長

3月13日、セブン&アイ・ホールディングスに買収提案しているカナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールは、都内で記者会見を開いた。アラン・ブシャール創業者兼会長(写真)は、セブンに会合を求めてもほぼ不可能な状態であることを明らかにした。写真は都内で撮影(2025 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Miho Uranaka Ritsuko Shimizu
[東京 13日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスに買収提案しているカナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールは13日、都内で記者会見を開いた。アラン・ブシャール創業者兼会長は、合意に時間がかかっても買収をあきらめない考えを示した。依然としてセブンの資産査定ができていない状況にある中、査定ができればさらなる価値を見いだせるとし、早期に本格的な交渉に入るよう改めて求めた。
ブシャール氏は、セブンに会合を求めてもほぼ不可能な状態であることを明らかにし「資産査定を通じて理解が深まればさらなる価値を見いだせる可能性があるが、現在ほとんどの情報にアクセスできていない」と語った。7カ月間にわたり友好的な話し合いを試みてきたものの「エンゲージメントは規制関連に限定されたものにとどまっており、幅広い案件の話し合いに至っていない」という。アレックス・ミラー社長兼最高経営責任者(CEO)は「包括的な資産査定に臨み、秘密保持契約を締結し、ディールの内容をしっかりと理解していきたい」とした。
セブンによる6日の社長交代や北米事業の上場、自社株買いの発表などを受け、ブシャール氏は、買収提案のアップデートや日本への投資、日本での事業運営計画などを説明する場を設けたいとした。
セブンが建設的な対話を進めてくれないことにフラストレーションはあるが「敵対的買収はわれわれのスタイルではない。検討していない」と改めて強調。合意までに時間がかかれば買収提案を撤回するかとの問いには「ノー」と否定した。
米競争当局の承認を得ることについては改めて自信を示し、それを早めるための策を講じていると説明した。
ミラー氏は、これまでの買収経験を生かしてオペレーションを改善し収益性を高めることができると述べた。サプライチェーン(供給網)やプライベートブランド、食品などセブンには多くのベストプラクティス(最適なやり方)があると強調。それを横展開していくことで「グローバルなコンビニのチャンピオンになれる」と、買収の意義について語った。
買収後に日本事業を切り離すというのは「選択肢の一つ」としながらも「セブン&アイ全体に関心がある。どのみちわれわれがコントロール、支配をするということになる」との考えを示した。
日本事業についてブシャール氏は「引き続き日本の経営陣が行う」との考えを示した。同社はこれまで買収した企業においても、同様の方法を取ってきたと説明した。
1月に新たに示した円建ての提示額については、開示は控えるとし、株主価値を相当創出するものとした上で、「ドル建てのオファーに類似している部分がある」と語った。
セブンが計画している北米事業の上場については、今のところ参加することは計画に入れていないとした。