英競争当局、アップルとグーグルのモバイルブラウザーに懸念表明

3月12日、英競争当局の競争・市場庁(CMA)は、米国のアップルとグーグルが圧倒的シェアを誇るモバイルブラウザー市場について、消費者・企業にとって市場がうまく機能していないとのCMA独立調査グループの最終報告書を公表した。ロンドンの金融街で4日撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)
Paul Sandle
[ロンドン 12日 ロイター] - 英競争当局の競争・市場庁(CMA)は、米国のアップルとグーグルが圧倒的シェアを誇るモバイルブラウザー市場について、消費者・企業にとって市場がうまく機能していないとのCMA独立調査グループの最終報告書を公表した。
同グループはCMAが1月に決定した調査開始を支持。懸念事項の大半はアップルのブラウザー「サファリ」を利用する端末でのインターネットアクセスに関するアップルのポリシーに関連していると指摘した。
CMAは今後、両社がモバイルブラウザー市場だけでなくモバイルエコシステム全体で「戦略的市場地位(SMS)」にあるかどうかを判断する。
独立調査グループによると、両社がSMSにあると判断された場合、CMAは介入を検討する。同業他社が新たな機能の提供を通じて競争力を強化できる環境を整備するといった措置が考えられるという。
アップルは「今回の報告書を懸念しており、報告書で議論されている是正策はプライバシー、セキュリティー、ユーザーエクスペリエンス全体を損なうと考えている」とし、CMAと建設的な協議を続けていく方針を示した。
グーグルは「開発者がビジネスで成功できるよう支援するオープンなプラットフォームに引き続きコミットしている。イノベーションを重視する、証拠に基づく予測可能な規制体制を実現し、英国の成長を可能にするため、CMAと建設的に協力していく」と述べた。
報告書によると、アップルの端末では昨年、サファリのシェアが88%、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」搭載端末では同社のブラウザー「クローム」が77%のシェアを占めた。
CMAはSMSに関する調査が年内に終了するとの見通しを示した。