台湾総統、中国のスパイ活動活発化に警鐘 対抗措置を提案

3月13日、 台湾の頼清徳総統(写真)は中国が台湾への浸透と影響力強化のための活動を活発化させているとの認識を示し、対抗措置を提案した。台北で2月撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
Yimou Lee
[台北 13日 ロイター] - 台湾の頼清徳総統は13日、中国が台湾への浸透と影響力強化のための活動を活発化させているとの認識を示し、対抗措置を提案した。
頼氏は安全保障当局者との会議後に記者会見し、中国は台湾の民主主義制度を利用し、組織犯罪グループやメディア関係者、現役および元軍人、警察官など、社会のさまざまな構成員を取り込んできたと述べた。
「(中国は)われわれの内部から分裂、破壊、転覆などの活動を行っている」と非難した。
昨年は中国のスパイ活動に関与したとして64人が起訴され、2021年の3倍に上ったと指摘した。大半は現役または元軍関係者だったと明らかにした。
「われわれが苦労して勝ち取った自由と民主主義、繁栄がこうした影響力の行使や操作によって、徐々に失われるのではないかと多くの人が懸念している」と語った。
頼氏は対策として、中国人の台湾訪問や居住申請の審査厳格化、軍事法廷の業務再開などを含む17項目の法的・経済的対抗措置を提案した。
また、台湾政府は中台間の人・資金・技術の移動に関して「必要な調整」を行うと述べたが、詳細は明らかにしなかった。
さらに、中国で公演する台湾の俳優や歌手に対し、政府が「発言や行動」について「注意を促す」方針も示した。
中国外務省の報道官は定例会見で、頼氏の政権が何を言おうとも「台湾が中国の一部であるという事実は変わらず、祖国統一という必然的な出来事も変わらない」と述べた。