世界石油市場、今年は日量60万バレル程度供給超過か=IEA月報

3月13日、 国際エネルギー機関(IEA)は石油市場月報で、今年の世界の供給量が需要を日量60万バレル程度上回る可能性があるとの見通しを示した。中国・武漢の製油関連施設で2012年3月撮影(2025年 ロイター)
[ロンドン 13日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は13日に公表した石油市場月報で、今年の世界の供給量が需要を日量60万バレル程度上回る可能性があるとの見通しを示した。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が減産縮小を進め、割当量に対する過剰生産を抑制できなければ、供給超過幅がさらに日量40万バレル拡大する可能性もあるとしている。
2025年の石油需要の伸び予測を日量7万バレル下方修正し、同100万バレル程度とした。中国の石油化学産業を中心にアジアで伸びる見通し。
また、米国の新たな関税など「マクロ経済環境が異常に不透明」となる中、今年第1・四半期の需要は予測を下回っているという。
月報の発表後、北海ブレント先物は1バレル=71.01ドルから70.85ドルに小幅下落した。
IEAは「米国と他の数カ国の間で貿易摩擦が激化し、石油需要予測の根拠となるマクロ経済状況が過去1カ月で悪化した」と指摘。24年第4・四半期と25年第1・四半期の需要の伸びの推定値を下方修正したことを明らかにした。
供給については、OPECプラスが4月に予定されている減産縮小後、減産水準を維持すると仮定した場合、25年の世界の供給の伸びは24年の2倍の日量150万バレル前後になると予想している。