最新記事
トランプ関税

トランプ関税発動「二転三転で判断難しい」...企業経営に暗雲「報復合戦で大惨事も」

2025年3月13日(木)16時14分
イリノイ州メンドータのコンバイン工場

3月12日、トランプ米政権の関税政策を受けて、スポーツ用品、高級車、化学製品など多岐にわたる業界の企業は12日、消費者心理の悪化や産業界の停滞を警告した。写真はイリノイ州メンドータのコンバイン工場で2月撮影(2025年 ロイター/Vincent Alban)

トランプ米政権の関税政策を受けて、スポーツ用品、高級車、化学製品など多岐にわたる業界の企業は12日、消費者心理の悪化や産業界の停滞を警告した。

トランプ政権は同日、貿易相手国に対する25%の鉄鋼・アルミニウム関税を導入。欧州連合(EU)とカナダは対抗措置を発表した。


 

資産運用会社フランクリン・テンプルトンのチーフマーケットストラテジスト、スティーブン・ドーバー氏は、米政府の関税政策が二転三転しており「経済に携わるほぼ全ての人が、日々の意思決定に及ぶ影響を把握しかねている」と発言。

例えば、米政府はカナダ、メキシコ、EUからの輸入品に25%の関税をかけると警告しており、その間、自動車メーカーは合理的な投資計画を立てられないと指摘した。

ドイツの高級スポーツ車メーカー、ポルシェは12日、米国がEUに関税を発動した場合、利益率を損なわずにどのような形で消費者にコストを転嫁できるか検討しているとし、値上げを示唆した。

一部の自動車メーカーは関税を回避するため、米国での増産を計画しているが、アナリストによると、部品メーカーの供給網は自動車メーカーほど現地化が進んでおらず、値上がりする可能性が高い。

カナダのアルゴマ・スチールはカナダから米国への鉄鋼輸出を停止。マイケル・ガルシア最高経営責任者(CEO)は関税を「非常に懸念している」と述べた。

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平案、米国との合意は容易ではない=ロシ

ビジネス

焦点:ルイ・ヴィトン、テキサスの生産苦戦 米拠点拡

ワールド

自民が対米交渉で会合、赤沢再生相「国益や効果考え抜

ワールド

赤沢再生相が16日─18日に訪米、財務長官・通商代
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中