トランプ関税発動「二転三転で判断難しい」...企業経営に暗雲「報復合戦で大惨事も」
報復合戦で大惨事も
欧州航空機大手エアバスのギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は、アルミ関税の発効直前、世界が報復合戦に陥れば「大惨事」になると警告。「当社のサプライヤーも影響を受ける恐れがあり、一部で混乱が出始めている」と述べた。
これまでのところ、航空宇宙産業は直接的な打撃を受けていないが、サプライヤーの多くは、トランプ政権の関税の標的になっているメキシコ、カナダ、中国に製造拠点がある。
JPモルガンのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏は、米国が今年リセッション(景気後退)に陥る確率は40%程度との見方を示し、トランプ氏が4月に相互関税を発動すれば、景気後退リスクは50%に上昇する公算が大きいと述べた。
独スポーツ用品大手プーマや「ザラ」を展開するスペインのアパレル大手インディテックスが発表した決算では、貿易を巡る不透明感が米国の消費に影響を及ぼし始めるとの懸念が示された。プーマは貿易摩擦が課題だとし、人員削減を発表。12日の同社株は一時25%近く下落した。
米欧の酒造業界団体はバーボンなど米蒸留酒に対するEUの関税が業界に「壊滅的な結果」をもたらすと表明。
フランスの化粧品業界団体は、EUが化粧品を対米関税の対象とする方針を示したことを受けて、米国による報復のリスクが非常に大きいと指摘したが、これを受け、エスティ・ローダーなど米化粧品メーカーの株価が下落した。