最新記事
ウクライナ戦争

ロシアの戦車不足いよいよ深刻...「独ソ戦」時代のT-34戦車まで「出撃準備」映像が拡散中

WWII-Era T-34 Spotted in Russia Amid Tank Losses in Ukraine War

2025年2月16日(日)19時05分
ブレンダン・コール

ロシア国内の軍事パレードでも登場したのは旧式戦車1両のみ

一方、ソーシャルメディアでは、第二次大戦で使用されたソ連の戦車「T-34」を、ロシアが戦闘に投入する計画を進めているとの憶測が飛び交っている。その「論拠」となっているのがSNSに投稿されている映像で、ロシアのT-34と見られる戦車が、運搬車で運ばれている様子が映されている。場所は明らかにされていない。

この映像は拡散され、あるユーザーは、第2次大戦で主力だったT-34はネット上のミームだったが、「今では現実になったようだ」と指摘している。「T-34が現代の対戦車兵器にどう対抗するかすぐにわかるだろう。これが破壊されるドローン映像が楽しみだ」

ロシアで昨年行われた、第二次大戦の戦勝記念日の軍事パレードでは、赤の広場に登場した戦車はT-34が1両のみだった、こちらも、ロシアの最新の軍事装備が不足しているのではないかとネット上で話題になる根拠となった。

米外交専門誌ナショナル・インタレストは、T-34はソ連によるナチス打倒の象徴ではあるが、従来は近代の戦闘車両も走行していたと指摘している。

ウクライナが発表したロシアの戦車損失数は、ロシアが侵攻において、兵士だけでなく装備の面でも高い代償を払っていることを示している。

今回ネットで拡散されている旧式のT-34の画像は、ウラジーミル・プーチン大統領がもはや戦争を継続できないのではないかとの憶測まで呼んでいる。

ロシアはウクライナ東部ドネツク州では攻勢を強めているが、兵士と、戦車を含む装備に大きな損失が出ている。停戦合意に達するかどうかが議論される中、ロシアの損失は着実に拡大し続けているようだ。

20250401issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月1日号(3月25日発売)は「まだ世界が知らない 小さなSDGs」特集。トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独政府、米製品ボイコットに反対 「良好な貿易関係に

ビジネス

トランプ関税、日本車も対象に GDP0.2%程度下

ワールド

米、貧困国の子ども用ワクチンの資金提供打ち切りへ=

ビジネス

米ダラー・ツリー、ファミリー・ダラー事業をPE連合
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 9
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中