開発費用たったの560万ドル...ディープシークの衝撃は「中国の逆襲」の始まりか
DeepSeek Shock Waves
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ILLUSTRATION BY MOOR STUDIO/ISTOCK
<中国の無名企業が発表した生成AIアプリが、AI開発競争の前提と未来を根本から覆す。人類を絶滅させる「崖っぷちを目指す競争」がいま始まった>
中国のAI(人工知能)開発スタートアップのディープシークが、AIの世界に衝撃を、そしてアメリカに頭痛の種を与えている。
ディープシークの生成AIは1月27日、アップルのアプリストア(アメリカ)で、無料アプリのダウンロード数1位を獲得。最大のライバルであるチャットGPTを蹴落としての快挙だ。
これを受けて米株式市場ではハイテク銘柄が急落し、計1兆ドルの価値が吹き飛んだ。
一連の出来事は、超重要技術で、アメリカの圧倒的なリードが中国に着実に侵食されていることを明らかにした。
ディープシークは、資産運用会社を経営していた梁文鋒(リアン・ウエンフォン)が2023年に中国の杭州で立ち上げたスタートアップで、これまではほぼ無名に近かった。
「これはイノベーションの民主化だ」と、梁はニュースレター「アジア・テック・レビュー」に語っている。
主力モデル「ディープシークR1」の快挙は、チャットGPTの開発企業オープンAIに投資するマイクロソフトや、生成AIの開発に不可欠とされてきた先端半導体大手のエヌビディアやブロードコムの株価を急落させた。
なにより衝撃的だったのは、この領域で中国企業が米企業に追い付いただけでなく、それをごく短期間かつ低コストで成し遂げたという事実だ。