イスラエル軍、ガザ救急隊員ら15人殺害のミス認める 副司令官解任

イスラエル軍は4月20日、パレスチナ自治区ガザで救急医療隊員ら15人が銃撃されて死亡した先月の事件に関して「幾つかの職務上の失敗」があったと認める検証結果を発表した。写真は3月23日、ガザ地区南部で、救急医療隊員がイスラエル軍の銃撃で死亡した際の最後の瞬間だという。パレスチナ赤新月社提供写真(2025年 ロイター)
James Mackenzie
[テルアビブ/エルサレム 20日 ロイター] - イスラエル軍は20日、パレスチナ自治区ガザで救急医療隊員ら15人が銃撃されて死亡した先月の事件に関して「幾つかの職務上の失敗」があったと認める検証結果を発表した。現場の指揮に当たっていた予備役の副司令官が不正確な報告書を提出していたとし、解任することも明らかにした。
救急医療隊員らは3月23日、ガザ南部ラファ近郊で3回にわたる銃撃で射殺された。
イスラエル軍は「調査によって幾つかの職務上の失敗、命令違反、そして事件についての報告漏れがあったことが確認された」とし、「最初の2つの事件での銃撃は、敵軍からの具体的な脅威に直面していると考えた部隊の作戦上の誤解から生じた。3つ目の(銃撃)事件は、戦闘中の命令違反だった」と説明し、刑事責任を追及する可能性もあると説明した。
射殺された男性1人の携帯電話から回収され、パレスチナ赤新月社が公開した動画には、制服を着た救急隊員と、ライトを点灯した救急車と消防車が兵士らに撃たれる様子が映っていた。
検証に当たったイスラエル軍の担当者は記者団に、兵士らが当初はイスラム組織ハマスの車両と判断して発砲したものの、実際には救急車だったと釈明した。ハマスが過去に救急車を使い、攻撃した事例があったという。
軍のエフィー・デフリン報道官は銃撃が明らかに兵士のミスで、事件を隠蔽する意図はなかったと主張した。