トランスジェンダーの移動の自由を奪う? パスポートの性別変更を凍結したトランプ政権
A HORRIFYING ORDER
トランプは就任初日の1月20日、「ジェンダー・イデオロギーの過激主義」に反対する大統領令に署名し、連邦政府は男性と女性の2つの性別しか認めないと宣言した。
これを受けてマルコ・ルビオ国務長官は23日、パスポート上の性別変更を凍結するよう命令。性別欄を男女に限定しない「X」で申請したパスポートの承認も全て停止にした。性別のXは2022年に導入されたもので、申請者数は公表されていないが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校ウィリアムズ研究所の推定では年間で最大1万6700人に上るとみられている。
こうした新政策について「怖いし、すごく悔しい」と南部在住のトランスジェンダー男性、L(26)は話す。「私たちのような人間が非国民扱いされるのは屈辱だ」
「アメリカという国が後退しているような気がする」と語るのはペンシルベニア州在住で、性自認が男でも女でもないノンバイナリーのスティーブン(33)だ。「政府があの手この手で私たちのような人間を抹消しようとする動きは、この国の方向性を象徴している」
「性別は2つしか認めない」
トランスジェンダーの平等を訴える団体「A4TE」も、こうした措置を非難。ロドリゴ・ヘングレヒティネン代表は声明で、「このような大統領令は私たちを社会生活に参加させまいとする、憎悪に満ちた過激派による試みだ」と表明した(トランプは1月27日にも、トランスジェンダーの人々の軍への入隊禁止を目的とする大統領令に署名した)。