トランプ政権が直面する「敵対勢力の結束」...外交で新たな課題
トランプ政権のメンバーもこうした課題を認めており、トランプ氏が安全保障補佐官に指名したマイク・ウォルツ氏は昨年11月のFOXニュースのインタビューで「中国はイランから小銭で石油を買っており、イランはそれを使ってロシアにミサイルや無人機を送り込み、それらがウクライナの極めて重要なインフラを攻撃している」と批判した。
国務長官に指名されたマルコ・ルビオ氏は先週の議会上院の承認公聴会で、中国について米国が直面する最大の脅威だと位置付け、ロシアとイラン、北朝鮮が「混乱と不安定 」の種をまいていると非難した。
中国から引き離し
アメリカン・エンタープライズ研究所のアジア担当シニアフェロー、ザック・クーパー氏は、トランプ政権が「中国から国々を引き離そうとするだろう」と分析。「彼らはロシア、北朝鮮、イランを中国から引き離したがっているようで、それはこれらの脅威が相互に関連していることを示唆するのではなく、区別することを意味している」とし、「北朝鮮との取引を進め、別の取引をロシアと進める可能性が最も高いように思える」と語った。
しかしながら、同盟関係にある国々を分割するのは簡単ではない。
オバマ米政権で通商代表を務め、現在はシンクタンクの外交問題評議会の会長を務めるマイケル・フロマン氏は、北朝鮮が米国と直接交渉するインセンティブが失われている可能性があると言及した。
トランプ氏は第1期在任中に北朝鮮と取引ができると考えていたものの、フロマン氏は北朝鮮がロシアと中国からより広範な支持を得ている今となっては米国と関与することに関心があるかどうかは不透明だと語った。
トランプ氏は1期目に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と前例がなかった首脳会談を実施し、仲の良さをアピールした。トランプ政権は金氏との直接会談の可能性について再び議論している。
一方、4カ国の関係には亀裂が生じ始めているようだ。