ガザに訪れる?平和への第一歩...トランプが貢献した2つの停戦へのポイント

First Steps to Peace

2025年1月22日(水)11時22分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

ただ、右派の脅しははったりにすぎないとの声もある。ネタニヤフ政権でなければ、極右が連立に参加すること自体が不可能だから、最終的には合意を支持するというのだ。

次の注目はサウジの動き

ガザ戦争は2023年10月7日、ハマスがガザの境界を超えてイスラエル人1200人以上を殺害し、約250人を拉致したことから始まった。1日の死者数としては、ナチスドイツによるホロコースト以来の惨劇となった。


しかし、イスラエルが打倒ハマスを掲げて展開したガザ侵攻も、多くの民間人の命を奪った。

これまでのパレスチナ人の死者は4万6000人以上。その約半分は民間人で、多くが女性や子供であり、欧米の親イスラエル国を含む世界中から非難を浴びてきた。

ガザ戦争は、締結間近とみられていたイスラエルとサウジアラビアの国交正常化も打ち砕いた。実際、ハマスの奇襲の狙いの1つは、イスラエルとサウジの外交樹立を妨害し、パレスチナ問題を(アラブ諸国にとっての)重要課題に戻すことだったとされる。

イスラム教スンニ派の国々(サウジアラビアなど主なペルシャ湾岸諸国)の指導者たちは、もともとパレスチナ問題をさほど大きな懸念として扱っておらず、あくまでアラブの同胞として口先だけで擁護している側面がある。

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