ガザに訪れる?平和への第一歩...トランプが貢献した2つの停戦へのポイント

First Steps to Peace

2025年1月22日(水)11時22分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

今回の停戦合意で、ハマスは向こう6週間に女性や高齢者などの人質33人を解放する。このうち3人は合意発効の日に解放され、2日目に4人、その後は毎週3人ずつ解放され、最終週に14人が解放されることになっている。

この中に、7人のアメリカ人が含まれるかどうかは不明だ。また、それと引き換えにパレスチナ人の囚人を何人釈放するかもまだ報じられていない。ただ、これからの6週間で、ガザ北部から南部に避難していたパレスチナ人の帰還は許可される。


合意発効から16日後には、停戦の第2段階に関する交渉が始まる。この段階ではさらに65人の人質が解放され、ガザ地区にいるイスラエル軍は北部に設けられる「緩衝地帯」に撤退する見通しだ。

ただ、この第2段階にどのくらいの時間がかかるのか、そして第3段階(おそらくガザの再建などが含まれる)の着手が約束されているのかも分からない。

そもそも第1段階でさえ、イスラエル国内で政治的なハードルに直面する可能性がある。

ネタニヤフ政権の連立の一角を構成する極右政党の閣僚、ベツァレル・スモトリッチ財務相らは、ハマスをわずかでも存続させる合意に調印するなら、連立を離脱すると言ってきた。

もし彼らがこの脅しを実行に移せば、ネタニヤフ政権は崩壊し、新たな選挙が行われ、ネタニヤフは負けるかもしれない。

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