「宇宙支配」を狙う中国の「静かなる第一歩」がチリで始動、大量の「ミニ中国」を南米に作る真の目的は?
CHINA’S SPACE LEAP
中国科学院の全天観察プロジェクト「司天」によると、南半球と北半球の全空を30分おきに「完全にスキャン」して、「国家の戦略的ニーズ」を満たす世界的な監視システムを構築する上で、ベンタロネス天文台は世界5カ所の拠点の1つと位置付けられている。
中国は、その宇宙開発が安全保障と結び付いていることを隠していない。習は24年にも「広大な宇宙を探索して、宇宙強国をつくろう!」と訴えたし、中国の国防法は「宇宙、電磁空間、そしてサイバースペース」で中国の権益を守ると定めている。
中国政府は、「有効な宇宙ガバナンス」の構築にも意欲を燃やしている。
中国は、月への定住と資源採掘、火星と木星への到達、小惑星から地球を守ること、宇宙ゴミへの対処、そして超新星の爆発やガンマ線バーストの監視にも意欲を見せる。24年6月には、無人月面探査機「嫦娥(じょうが)6号」が、世界で初めて月の裏側の土壌を持ち帰った。
アメリカにも同じような宇宙開発目標があるし、保有する衛星は中国よりも多い。軍事目的の宇宙開発計画もある。だが、中国は年間約200個の衛星を打ち上げて、急ピッチでアメリカを追い上げている。
24年8月には、イーロン・マスク率いるスペースXの衛星通信網「スターリンク」を凌駕するべく、低軌道衛星通信網「千帆星座」を構築する小型衛星第1号が打ち上げられた。
やはり政府系の衛星通信サービス「国網」を構築する計画も合わせると、中国は今後少なくとも2万5000基の低軌道小型衛星を打ち上げる計画だ。
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