プラごみの海に沈む地球を救う方法...「たった4つの政策」で廃棄は90%減できる
SOLVING THE PLASTIC PROBLEM
自動車の省エネ化や救急医療製品に欠かせないプラスチックは「誰もが知っているように、有益性の高い素材だ」と、マッコーリーは話す。「だが使用時間が35秒間で、自然分解されるのに350年かかるストローの製造は、社会と経済におけるプラスチックの最も重要な目的ではない」
「システムは現在破綻している」
エリン・サイモンは長年、プラスチックを扱う企業と環境団体のパートナーシップ構築に力を注いできた。米電機メーカー、ヒューレット・パッカード(HP)の元パッケージングエンジニアとして企業側の立場に身を置いた経験があり、現在は企業とのパイプを活用して、WWF副会長兼「プラスチック廃棄物とビジネス」担当責任者を務めている。
「管理しきれない量のプラスチックが既に存在している」と、サイモンは本誌に語る。現在のペースで続ければ、プラスチック生産は40年までに倍増すると、産業アナリストは予測しているという。
WWFなどが主導して発足した国際プラスチック条約企業連合には、条約締結を求める約250の関連企業や金融機関、活動団体が参加している。プラスチック廃棄物の削減目標は、自助努力だけで達成できないと企業は認識していると、サイモンは言う。
「数多くの企業が、再生プラスチック利用や製品リサイクルを約束している。だがインフラや政策、回収システムが存在しなければ、実行するのは非常に困難だ」