一部の価格上昇、関税の影響を先取りしたもの=クーグラーFRB理事

米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事(写真)は7日、最近の財(モノ)およびサービスのインフレ上昇の一部は、トランプ政権の政策による今後の影響を「見越したもの」である可能性があるとの認識を示した。2023年6月撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)
[7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事は7日、最近の財(モノ)およびサービスのインフレ上昇の一部は、トランプ政権の政策による今後の影響を「見越したもの」である可能性があるとの認識を示した。その上で、FRBはインフレを抑制することに重点を置くべきだとした。
クーグラー理事はハーバード大学での講義で、現時点では短期的なインフレ期待は上昇している一方、長期的なインフレ期待は安定していると指摘。「われわれはこの状態を維持したい。FRBは常に2%のインフレ目標に非常にコミットしており、インフレ期待をしっかりと安定させたいと考えている。それは今や優先事項であるべきだ」とした。
学生から関税の脅威について質問されると、トランプ大統領の発言や政策自体の妥当性、短期的な金融市場の動向、財政政策や貿易政策などについてはコメントしないとした。
また別の学生から、関税によって物価が上がるのではないかという懸念について質問されると、インフレと闘う必要性を説いた。
企業が新しい関税によるコスト上昇をどの程度消費者に転嫁するかはまだ分からないが、「それは痛みを伴うことだと理解している。だからこそ、われわれはその点に焦点を当て続ける必要があると考えている」と述べた。
その上で「例えば、関税について考えると、(燃料と食品を除く)コア輸入価格の指数だけでなく、不足の度合いを測る指数も、インフレ要因をモデル化する際の重要な考慮事項になる可能性がある」との考えを示した。