ロシア、原油下落の影響軽減へ全力=大統領報道官

ロシアのペスコフ大統領報道官は7日、定例の電話記者会見で、経済関係部局が原油価格下落という「非常に緊迫した」状況を注視していると述べた。ロシア領海ノブロシースク港近くのカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)の石油貯蔵タンク。2021年9月撮影(2025年 ロイター/Caspian Pipeline Consortium/Handout via REUTERS)
[モスクワ 7日 ロイター] - ロシアのペスコフ大統領報道官は7日、定例の電話記者会見で、経済関係部局が原油価格下落という「非常に緊迫した」状況を注視していると述べた。トランプ米大統領による貿易相手国への関税措置が混乱の引き金となったと指摘した上で「世界経済の暴風雨がロシア経済に及ぼす影響を最小限に抑えるため、必要なことは全て行う」とも強調した。
ペスコフ氏は「非常に注意深く状況を注視している。現在、非常に荒れ、緊迫し、過敏になっている」と説明。「世界経済の状況は非常に緊迫し、専門家や市場関係者の間でも否定的な見通しが多い」とも指摘した。
ロシアの財政力につながる原油価格は4日、前日から約7%急落した。米政権による関税措置に対抗し中国が米国からの輸入品関税を引き上げたことで貿易戦争が激化し、景気後退につながるとの見方が市場で強まったためだ。先週、週間ベースで北海ブレント先物は10.9%、米WTI先物は10.6%、それぞれ下落した。
石油と天然ガスによる収入は、ロシアの政府予算の歳入の3分の1を占める。原油価格の値下がりとルーブル高を背景に、2025年第1・四半期(25年1-3月期)の収入額は2兆6400億ルーブル(305億9000万ドル)にとどまった。
ロシア中央銀行は2日、米国の関税引き上げにより世界経済が減速する可能性があり、需要が目減りし、原油価格は今後数年間、これまでの見通しよりも下回る可能性があるとの見方を示している。