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荒川河畔の「原住民」⑨

冬の寒さ、夏の暑さ、亡くなる時、欲求不満解消...ホームレス生活のリアリティー

2024年10月30日(水)19時15分
文・写真:趙海成

一般的な日本人は死後、遺骨は寺などの墓地に葬られ、石碑には死者の名前が刻まれる。ホームレスになった日本人の多くは、家族との関係を離れている。親戚や頼れる人もおらず、もちろん墓地もない。彼らは亡くなると、静かに黙然とこの世を立ち去るが、自分の名前も含め、何も残されはしないのだ。

生理的欲求はどうやって満たしているか

ホームレスは飲料のアルミ缶を拾ってお金を得ているが、大金を稼ぐことはできず、必要最低限の生計を維持するだけだと思う。お腹を満たす以外に、週に1回は銭湯に行ったり、コインランドリーに行って洗濯をしたりする人が多い。


その上で、例えば桂さんは海に行ってサーフィンをしたり、斉藤さんは時々競馬場に行ったりと、個人的な趣味がある人はその活動をしている。これらの趣味を加えると、アルミ缶を拾って稼いだお金では足りないに違いない。風俗店に行って楽しもうとするのは、無謀な夢と言えるだろう。

この「荒川河畔の原住民」ルポを微信(WeChat)で発信して、アメリカにいる読者である友人の1人から、日本のホームレスは生理的欲求をどう満たしているのかと質問された。

彼女は、アメリカのホームレスが図書館でポルノ雑誌を読んでいるのを見たことがあると教えてくれた。日本人は内気なので、そんなことはしないだろう。それに、日本の図書館にはそのようなエロ本が置かれていないと思う。

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