最新記事
中国経済

中国「独身の日」商戦スタート、消費冷え込みで低調見通し

2024年10月23日(水)11時00分
「独身の日」商戦(2021年北京で撮影)

中国で11月11日の「独身の日」に向けた毎年恒例の商戦が先週始まった。小売業界やアナリストの間では、売上高は前年比横ばいが関の山との悲観的な予想が大勢だ。写真は2021年11月、北京で撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

中国で11月11日の「独身の日」に向けた毎年恒例の商戦が先週始まった。小売業界やアナリストの間では、売上高は前年比横ばいが関の山との悲観的な予想が大勢だ。中国経済が抱えるさまざまな問題が、引き続き消費意欲を冷え込ませているという。

家具を販売するウー・キアン氏は今年、京東集団(JDドット・コム)に出店登録したが、その理由は在庫一掃の機会をもらって多少のもうけが得られればとの思惑からで、全般的な売上高の伸びは期待していない。

「消費者はもはや催事を待って買い物をしない」と語り、今は中国の電子商取引(EC)プラットフォームが多様化し、1年中いつでも買い物先を選べると付け加えた。

昨年時点でも、調査会社の星図数据がまとめた独身の日商戦における主要ECプラットフォームの流通取引総額(GMV)は2%増の1兆1400億元(1560億ドル)と、ピーク時の2桁の伸びには遠く及ばなかった。

独立系EC専門家、ルー・チェンワン氏は「現在はかなり平静だ。出店者はより理性的になり、GMVよりも利益を追求している。しかし利益をつかむのも難しく、競争がなお非常にし烈で、価格が安い方しか売れない」と指摘した。

それでも今年はEC最大手アリババが出店者寄りの販売方針を発表し、京東集団やピンドゥオドゥオ(拼多多)も出店者支援策を講じている。

ECコンサルティングのWPICマーケティング+テクノロジーズのジェイコブ・クック最高経営責任者(CEO)は「プラットフォーム運営事業者は各ブランドに値下げ圧力をかければ広告料を払う余裕がなくなると理解していると思う」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241029issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年10月29日号(10月22日発売)は「米大統領選 イスラエルリスク」特集。カマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が勝負を分ける

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


金融
日本のウェルスマネジメントは欧米とどう違う?...MUFGが「今こそ必要」と考える理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ブラックロック、AI関連ETF2本の新規設定を発

ビジネス

ベーカーヒューズの第3四半期、利益が予想上回る 掘

ワールド

フィリピンに熱帯暴風雨接近、政府機関・学校閉鎖 外

ビジネス

スタバ、25年度業績見通しの公表停止 需要低迷で再
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選 イスラエルリスク
特集:米大統領選 イスラエルリスク
2024年10月29日号(10/22発売)

イスラエル支持でカマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が大統領選の勝負を分ける

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはどれ?
  • 3
    リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと
  • 4
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    トルコの古代遺跡に「ペルセウス座流星群」が降り注ぐ
  • 7
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 8
    中国経済が失速しても世界経済の底は抜けない
  • 9
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 10
    「ハリスがバイデンにクーデター」「ライオンのトレ…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 3
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 4
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 5
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 6
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 7
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 8
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 9
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 10
    北朝鮮を訪問したプーチン、金正恩の隣で「ものすご…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 10
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中