最新記事
SNS

子供のSNS利用を禁止へ...いじめ、犯罪、精神的健康の懸念から(オーストラリア) 「孤立」危ぶむ声も

2024年10月19日(土)11時48分
オーストラリア政府がSNS利用に年齢制限の方針

10月16日、オーストラリア北部のダーウィンで暮らす難民のテレザ・フセインさん(14)にとって、政府が進めるSNSの年齢制限導入の影響はあまりにも大きい。写真はインスタグラムのロゴとイメージ。2018年3月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

オーストラリア北部のダーウィンで暮らす難民のテレザ・フセインさん(14)にとって、政府が進めるSNSの年齢制限導入の影響はあまりにも大きい。子どもの利用が禁止されれば、まだ直接顔を会わせたことのない最も大切な人、祖母との唯一のつながりが失われてしまうからだ。

コンゴ民主共和国で生まれたフセインさんは、アフリカ南部マラウイの難民キャンプで育ち、9歳のときにオーストラリアに移住した。「祖母とはこれまでSNSだけでつながってきた」という。

規制強化について、「人生が大きく変わってしまう。後に残してきた人たちと話すのがとても難しくなってしまうから」と、不安でいっぱいだ。自分ではあまり投稿しないが、インスタグラムやスナップチャットで家族や友人が投稿する写真や動画を眺め、言葉を交わしている。

オーストラリア政府は、いじめ、子どもを標的にした犯罪、身体的および精神的健康への懸念からSNSの利用に年齢制限を設けることを検討している。しかし専門家は、政府の計画はフセインさんのようなケースを見落としており、年齢制限の導入によって10代の移民や性的少数者は重要な社会的支援へのアクセスを断たれる恐れがあると警鐘を鳴らしている。

自動車
DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アトランタ連銀総裁、今年の利下げ見通しを1回に引き

ワールド

グリーンランド、米の将来に関わる可能性 安全保障上

ワールド

カナダ首相、トランプ氏と電話会談の用意 「主権国家

ワールド

ウクライナ鉱物協定、近く署名へ 発電所の米所有巡り
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放すオーナーが過去最高ペースで増加中
  • 3
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 4
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 5
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 6
    ロシア軍用工場、HIMARS爆撃で全焼...クラスター弾が…
  • 7
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 8
    トランプの脅しに屈した「香港大富豪」に中国が激怒.…
  • 9
    止まらぬ牛肉高騰、全米で記録的水準に接近中...今後…
  • 10
    ドジャース「破産からの復活」、成功の秘訣は「財力…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 4
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 9
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 10
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中