子供のSNS利用を禁止へ...いじめ、犯罪、精神的健康の懸念から(オーストラリア) 「孤立」危ぶむ声も
10月16日、オーストラリア北部のダーウィンで暮らす難民のテレザ・フセインさん(14)にとって、政府が進めるSNSの年齢制限導入の影響はあまりにも大きい。写真はインスタグラムのロゴとイメージ。2018年3月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
オーストラリア北部のダーウィンで暮らす難民のテレザ・フセインさん(14)にとって、政府が進めるSNSの年齢制限導入の影響はあまりにも大きい。子どもの利用が禁止されれば、まだ直接顔を会わせたことのない最も大切な人、祖母との唯一のつながりが失われてしまうからだ。
コンゴ民主共和国で生まれたフセインさんは、アフリカ南部マラウイの難民キャンプで育ち、9歳のときにオーストラリアに移住した。「祖母とはこれまでSNSだけでつながってきた」という。
規制強化について、「人生が大きく変わってしまう。後に残してきた人たちと話すのがとても難しくなってしまうから」と、不安でいっぱいだ。自分ではあまり投稿しないが、インスタグラムやスナップチャットで家族や友人が投稿する写真や動画を眺め、言葉を交わしている。
オーストラリア政府は、いじめ、子どもを標的にした犯罪、身体的および精神的健康への懸念からSNSの利用に年齢制限を設けることを検討している。しかし専門家は、政府の計画はフセインさんのようなケースを見落としており、年齢制限の導入によって10代の移民や性的少数者は重要な社会的支援へのアクセスを断たれる恐れがあると警鐘を鳴らしている。