米財務長官がアルゼンチン大統領と会談、経済改革を評価

4月14日、ベッセント米財務長官(写真)は、アルゼンチンのミレイ大統領と会談し、同国を「崖っぷちから立ち直らせる」ことを目指したミレイ政権の経済改革をトランプ米政権が全面的に支持していることを伝えたと明らかにした。ブエノスアイレスで同日撮影(2025年 ロイター/Agustin Marcarian)
[ワシントン 14日 ロイター] - ベッセント米財務長官は14日、アルゼンチンのミレイ大統領と会談し、同国を「崖っぷちから立ち直らせる」ことを目指したミレイ政権の経済改革をトランプ米政権が全面的に支持していることを伝えたと明らかにした。会談後にブルームバーグテレビで語った。
米財務省は声明で、ミレイ氏が米国との貿易の障壁撤廃に向けて取り組んでいることをベッセント氏が称賛したと説明した。
アルゼンチンは11日、国際通貨基金(IMF)から総額200億ドルの融資(拡大信用供与措置=EFF)を48カ月間受けることで正式に合意した。また、世界銀行はアルゼンチンに対して120億ドル、米州開発銀行(IDB)は100億ドルの金融支援を表明した。
ベッセント氏は「私がこの場に出向いたのはミレイ氏と彼の取り組みへの支持するためだ。(中略)アルゼンチンを崖っぷちから立ち直らせるという点で歴史的なことだと思う」と称賛した。
同氏は、米国としては中南米諸国が中国からの援助と引き替えに鉱業権を差し出す事態を阻止しようとしていると強調。「中国は援助と銘打った強引な取引をいくつも結び、引き替えに(中略)鉱業権を奪い取った。それにより、これらの(中国の援助を受けた)国々のバランスシートに莫大な負債を上乗せした」と問題視し、「将来の世代が貧しくなり、資源のない状態に陥ることを保証しているのだ。私たちは中南米諸国で既に起こっていることに拍車がかかる事態を望んでいない」と訴えた。
中国の金融機関は2000─23年にアフリカの49カ国に総額1822億8000万ドルを貸し出し、多くの国々に過大な債務を負わせた。米ボストン大グローバル開発政策センターのデータによると、中国の金融機関は中南米諸国とカリブ海諸国に総額1200億ドルを超える融資を実施した。
ベッセント氏は米国がアルゼンチンに対し、中国が設定したような融資枠を供与することは検討していないと説明。ミレイ政権が経済改革を続けることで、最終的には返済に十分な外貨が流入するはずだとの見方を示した。