子供のSNS利用を禁止へ...いじめ、犯罪、精神的健康の懸念から(オーストラリア) 「孤立」危ぶむ声も
世界でも最もSNS利用が盛んなオーストラリアの10代
調査によると、オーストラリアの10代は97%が平均4つのSNSプラットフォームを利用し、世界でも最もSNSの利用が広がっている。
一方、2024年の別の調査によると、同国では10代の子を持つ親の約3分の2が、子どものSNS使用に懸念を抱いている。
政府はSNSへの依存を抑えるために子どもの利用を禁止する規制強化を検討中。まだ法制化されておらず、対象年齢や対象となるSNSプラットフォームなどの詳細も固まっていないが、第1段階として年齢確認の試験的導入を計画している。
しかし若者支援団体は、SNS利用が禁止されれば弱い立場に置かれている子どもは社会的なつながりが絶たれる恐れがあり、SNS運営会社が安全管理を厳格化すべきだと訴えている。
「利用禁止は、私たちが提唱するのとは正反対の措置だ」と話すのはシドニー工科大学のデジタルメディア准教授のアメリア・ジョンズ氏。「誰もがSNSで生活している。多くの若者にとって使わないという選択肢はなく、全面禁止は精神的に影響を及ぼす懸念がある」という。
SNSに年齢による利用禁止措置を導入した国はこれまでに例がない。フランスと英国では年齢確認が試験的に行われているが、禁止には至っていない。また、米国の一部の州では制限付きコンテンツへのアクセスの際に年齢確認が求められる。