最新記事
軍事

ロシア戦車が次々炎上、ウクライナ軍の「ドラゴンドローン」攻撃...溶融テルミットを浴びせる衝撃映像を公開

Ukrainian 'Dragon' Drone Destroys Russian Tank With Molten Thermite

2024年10月9日(水)16時11分
ジェームズ・ビッカートン
破壊されたロシア軍の戦車

破壊されたロシア軍の戦車(写真は6月2日、ハルキウ北部で撮影) Jose HERNANDEZ Camera 51-Shutterstock

<「溶岩の2倍相当」の高熱テルミット攻撃にロシア軍は頭を悩ませている>

ウクライナ国防省が、ドローンの投下した「溶融テルミット」でロシアの戦車を破壊する場面とみられる映像を公開した。ウクライナ第30機械化旅団のものとされる26秒の映像は、ウクライナ政府によって10月4日、X(旧ツイッター)に掲載された。

【動画】ロシア戦車が次々炎上、ウクライナ軍の「ドラゴンドローン」攻撃...溶融テルミットを浴びせる衝撃映像を公開

ウクライナの「ドラゴンドローン」がロシア軍の拠点にテルミット焼夷弾を投下する映像は、この数週間の間に多数が浮上していた。サイエンスチャンネルによると、アルミニウムと鉄さびを混ぜたテルミットは2200度を超す高温で燃焼し、溶岩の2倍もの熱さになるという。

4日の映像では、前進していたロシアの戦車が地雷またはウクライナ軍のロケット弾に当たって爆発し、損傷。そこにドローンが上空から接近して溶融テルミットを投下すると、戦車は発火して炎に包まれた。

映像の撮影場所は不明で、この動画の詳細を本誌は確認できていない。ロシア国防省とウクライナ国防省に電子メールでコメントを求めている。

ウクライナ軍によるテルミットドローンの使用は、テレグラムで100万人以上のフォロワーを有するロシアの人気軍事アカウント「Two Majors」でも9月に伝えられていた。

Two Majorsは「(ウクライナ軍は)テルミット弾を投下する新型ドローンも手に入れた。これが我々の頭痛の種になっている」とコメント。

「まず我々はネットを張ってドローンがダグアウトに飛来できないようにした。次にドローンの熱探知カメラに映らないようケープやブランケットで覆い、今はどうすれば新型ドローンに焼かれずに済むかを考える必要に迫られている」

5日にウクライナ国防省が公表したグラフによると、ロシア軍の死傷者は過去24時間で1280人に上り、2022年2月の侵攻開始以来の合計では65万9220人になった。

さらに、ロシア軍は過去24時間で戦車8両、歩兵戦闘車31両、大砲72門を戦場で失ったとしている。こうした数字について本誌独自には確認できていない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相、人質遺体返還巡りハマス非難 「代償

ワールド

韓国、38年までに脱炭素電源7割目標 大型原子炉2

ビジネス

英小売売上高、1月は前月比+1.7% 予想を大幅に

ビジネス

テスラによる日産投資計画、菅元首相らグループが立案
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    ハマス奇襲以来でイスラエルの最も悲痛な日── 拉致さ…
  • 10
    トランプ政権の外圧で「欧州経済は回復」、日本経済…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 8
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 9
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中