アメリカ第3の政党、リバタリアン党候補に聞く「麻薬合法化、NATO離脱、ガザはジェノサイド」
‘I’M HAPPY TO DISRUPT’
──そうすると、NATOとの関係はどうなるのか。アメリカはNATOから離脱すべきなのか。
離脱すべきだと思う。といっても、自由な人々の権利を守ることは重要だと考えている。「アメリカがNATOを離脱すれば、西ヨーロッパをいつでも見捨てられるようになる」といったことを言う人がよくいる。そのような人たちにはこう言いたい。アメリカは、第2次大戦時にはNATOがまだ存在しなかったのに、西ヨーロッパの国々がナチス・ドイツと戦うのを助けたではないか、と。
(20世紀末に)冷戦が終わったとき、NATOを解体して、ロシアを貿易のパートナーとして迎え入れるべきだった。もしそうしていれば、NATOを存続させ、拡大させるよりもはるかに緊張を取り除けていただろうと、私は思っている。
──中国に関しては、民主党と共和党の党派の枠を越えて懸念の声が高まっている。アメリカは中国にどのように向き合うべきだと思うか。
中国と貿易戦争をすることは避けるべきだと思う。いま経済がバブルの崩壊過程に入っているなかで、アメリカ経済を危険にさらす恐れがある。アメリカが取るべき行動は、米中間の貿易障壁を減らすよう呼び掛け、貿易相手として関わることだ。
──あなたは、自分が同性愛者であることに誇りを持っていると述べている。この数年は、LGBTQ+コミュニティーに対する反発や反感が強まっている。そうした(性的マイノリティーの権利擁護の流れに対する)揺り戻しの動きに対して、大統領や政府はどのような行動を取ることができると思うか。
このところ反発や反感が強まっているのは、自然に変化が起きるペースよりも速く、政府が人為的に変化を生み出そうとしていることが理由だと思う。(政府が変化を推進するよりも)私は思想の自由市場に委ねたい。社会的価値観が異なる層の間で、いわば停戦が必要だ。文化戦争には賛同できない。
とはいえ、市民的自由は支持している。全ての個人が法の下で平等の権利を持つべきだ。この点は譲れない。誰でも自分が望む形で平和に生き、自分が望む形で平和に家庭を築くことができるべきだ。
──2大政党以外の候補者全般に対して、せいぜい2大政党の候補者の足を引っ張るだけという辛辣な見方をする人が多い。そうした批判に対してはどう思うか。
私の答えはこうだ。(バイデン)現大統領と(トランプ)前大統領、そして議会の支持率は、いま空前の低水準に落ち込んでいる。私がどうこうするまでもなく、ワシントンの政治はすでに腐っている。
私が混乱をつくり出していると言われるのであれば、それで結構。喜んで政治のプロセスに混乱を生み出したい。