アメリカ第3の政党、リバタリアン党候補に聞く「麻薬合法化、NATO離脱、ガザはジェノサイド」
‘I’M HAPPY TO DISRUPT’
──対立候補のトランプとバイデンについて何を最も批判するか。
変な話だがどちらについてもほぼ同じだ。
どちらも権限や規模という点で国の役割が拡大するままにしている。政府の役割拡大がさらに加速して私たちの暮らしをコントロールする面が増え、国内でも海外でも官憲や銃弾や爆弾によって暴力を拡大させるのを許してきた。
彼らは同じ1羽の鳥の左右の翼だと思う。2人とも独裁主義者だ。スタイルが違うだけで、政府を拡大させていることに変わりはない。どちらの統治スタイルも国内の党派心をあおり国民の亀裂を深めている。
どちらを選んでも結果は悲惨だ。
──どちらかがましということは?
今回の大統領選では、どちらが選ばれるにしろ、共和・民主両党の最有力候補はミレニアル世代やZ世代とはつながりがない。
私ならある。自分はミレニアル世代だと思っているから。こんなに若い候補者は久しぶりかもしれない。
今こそわれわれ若い世代が立ち上がるべきだ。私たちは大票田。ミレニアル世代・Z世代は間違いなく票の過半数を占めている。
──リバタリアンはアメリカの司法制度に懸念を抱いている。トランプは司法制度の犠牲者だと思うか。
最初に言っておくが、自分が支持する大統領候補が出廷するときだけ司法制度を気にするのはおかしい。常に無数の人々が司法制度の影響を受けているのに。
司法制度の影響を最も受けないのは自分を弁護する術のある人々だ。
司法制度の乱用に苦しんでいるのはトランプのような人々ではない。一流弁護士や弁護団を雇う余裕がなく、公選弁護人がつくような人々、不当な麻薬戦争の犠牲者だ。そうした状況が貧困の悪循環を生んでいる。トランプが刑務所行きになるとは思えない。恐らく執行猶予で済むだろう。
一方、身を守る術のない人間、無名の人間、統計学的に言えば非白人の場合は、もっと厳しい判決が下る可能性がある。
──あなたは麻薬問題と刑事司法制度の関連性に触れた。麻薬犯罪に国はどう対処すべきか。
まず全ての薬物の完全合法化を模索する必要がある。依存症は病気だから、刑務所に送って済む問題ではない。麻薬戦争自体が闇市場を生み、麻薬カルテルが金儲けのために暴力沙汰を起こす。合法化すればそうしたトラブルは確実に減るはずだ。
リバタリアンの大統領が誕生したあかつきには、成人が望む薬物を合法的に摂取できる道を早急に模索することになるだろう。