最新記事
大統領選

アメリカ第3の政党、リバタリアン党候補に聞く「麻薬合法化、NATO離脱、ガザはジェノサイド」

‘I’M HAPPY TO DISRUPT’

2024年7月25日(木)16時46分
ジェイソン・レモン

newsweekjp_20240725041228.jpg

オリバーは麻薬との戦いによりむしろ問題が悪化していると持論を語った SPENCER PLATT/GETTY IMAGES

──対立候補のトランプとバイデンについて何を最も批判するか。

変な話だがどちらについてもほぼ同じだ。

どちらも権限や規模という点で国の役割が拡大するままにしている。政府の役割拡大がさらに加速して私たちの暮らしをコントロールする面が増え、国内でも海外でも官憲や銃弾や爆弾によって暴力を拡大させるのを許してきた。

彼らは同じ1羽の鳥の左右の翼だと思う。2人とも独裁主義者だ。スタイルが違うだけで、政府を拡大させていることに変わりはない。どちらの統治スタイルも国内の党派心をあおり国民の亀裂を深めている。

どちらを選んでも結果は悲惨だ。


──どちらかがましということは?

今回の大統領選では、どちらが選ばれるにしろ、共和・民主両党の最有力候補はミレニアル世代やZ世代とはつながりがない。

私ならある。自分はミレニアル世代だと思っているから。こんなに若い候補者は久しぶりかもしれない。

今こそわれわれ若い世代が立ち上がるべきだ。私たちは大票田。ミレニアル世代・Z世代は間違いなく票の過半数を占めている。

──リバタリアンはアメリカの司法制度に懸念を抱いている。トランプは司法制度の犠牲者だと思うか。

最初に言っておくが、自分が支持する大統領候補が出廷するときだけ司法制度を気にするのはおかしい。常に無数の人々が司法制度の影響を受けているのに。

司法制度の影響を最も受けないのは自分を弁護する術のある人々だ。

司法制度の乱用に苦しんでいるのはトランプのような人々ではない。一流弁護士や弁護団を雇う余裕がなく、公選弁護人がつくような人々、不当な麻薬戦争の犠牲者だ。そうした状況が貧困の悪循環を生んでいる。トランプが刑務所行きになるとは思えない。恐らく執行猶予で済むだろう。

一方、身を守る術のない人間、無名の人間、統計学的に言えば非白人の場合は、もっと厳しい判決が下る可能性がある。

──あなたは麻薬問題と刑事司法制度の関連性に触れた。麻薬犯罪に国はどう対処すべきか。

まず全ての薬物の完全合法化を模索する必要がある。依存症は病気だから、刑務所に送って済む問題ではない。麻薬戦争自体が闇市場を生み、麻薬カルテルが金儲けのために暴力沙汰を起こす。合法化すればそうしたトラブルは確実に減るはずだ。

リバタリアンの大統領が誕生したあかつきには、成人が望む薬物を合法的に摂取できる道を早急に模索することになるだろう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

「ロボタクシー撤退」の米GM、運転支援技術に注力へ

ビジネス

米キャタピラー、通期売上高は微減の見通し 需要低迷

ワールド

欧州委員長、電動化や競争巡りEUの自動車業界と協議

ワールド

米高裁、21歳未満成人への銃販売禁止に違憲判断
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中