ローレンス・ウォン新首相誕生:シンガポールの繁栄は続くか?
End of an Era in Singapore
次の総選挙が決め手
新首相を待つ最初の試練は次の総選挙だ。現議会の任期満了は来年の11月だが、今年8月の独立記念日後、早ければ9月にも議会を解散して民意を問う可能性がある。ちなみに90年11月にリー・クアンユーの後を継いだゴー・チョクトンも、翌91年8月に解散総選挙に打って出て信任を勝ち取っている。
国外に目を転じれば、新首相を待つ地政学的な環境は一段と厳しい。ロシアの仕掛けたウクライナ戦争やイスラエルによるガザ侵攻、米中間の経済戦争があり、過去60年にわたるシンガポールの経済的繁栄を支えてきた国際秩序の崩壊もある。いずれも、シンガポールの「奇跡」の経済を維持・発展させるには好ましくない環境といえる。
それでもPAP政権は、こうした国際的な悪条件を巧みに乗り越えてきた。中国ともアメリカとも特別な関係を築いてきたし、それは今後も続くだろう。とはいえ、不安定さを増す2つの大国の間でバランスを保つことは一段と難しくなっていく。中国系移民の発言力が増していることもあり、新首相は国内でも微妙な舵取りを迫られる。
果たして新首相は国内外の荒波を乗り越えられるか。勝てば歴史に名を残せるが、失敗すればいわゆる「仮置き」の首相で終わることになる。
From thediplomat.com

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